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脱炭素で鉄スクラップ争奪…ものづくり基盤に逆風、素形材 国民玉木氏「産業消滅の恐れ」 - 産経ニュース

産経ニュース 2026-04-30
脱炭素化に伴う鉄スクラップ需要増で、鋳造・鍛造などの素形材産業が原材料不足に直面し、産業消滅の恐れが指摘されている。

専門家の視点

鉄スクラップ争奪戦の構図は、脱炭素政策が「資源循環」という物語と「電炉シフト」という実体の間でねじれを起こしている典型です。政策は電気炉での生産を後押ししますが、高級鋼を生み出す素形材産業にとって不純物の少ない上質なスクラップは生命線です。その争奪が激化し、コスト上昇と調達困難が国内のものづくり基盤を直撃しています。 ここでの本質的なズレは、政策の時間軸です。脱炭素という長期目標の実現に、足元の産業競争力という短期の実体が追いついていない。玉木氏の「産業消滅」という発言は誇張とはいえ、素形材産業がスクラップの品質を巡って電気炉製鉄所との「奪い合い」という、両立しにくい二つの事実の狭間に置かれているのは確かです。 次の観測点は、政府がスクラップの品質別流通や輸出規制といった市場設計の変更に踏み出すかどうかです。現状のままでは、言葉は悪いですが国内の素形材産業が「調整弁」としてしわ寄せを受ける構造は変わりません。資源循環の美辞麗句を具体の産業保護と結びつける制度設計が、物語と実体の溝を埋める唯一の道です。このままでは素形材の衰退は不可避です。

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