【フランス】政府、脱化石燃料ロードマップ発表。2030年までに新車販売EV比率を2/3に
フランス政府が脱化石燃料ロードマップを発表し、2030年までに新車販売のEV比率を3分の2にする目標を掲げた。
専門家の視点
フランス政府のロードマップは、2030年までに新車販売のEV比率を3分の2へ引き上げる目標を掲げますが、ここには実体と物語の間に明確なズレがあります。欧州全体でEV補助金の縮減や充電インフラ整備の遅延が顕在化する中、国内製造基盤の競争力と電力供給構造が伴わないまま、販売比率という一つの数字だけが先行しています。物語先走りの構造です。特に、フランスの電力の約7割を原子力が担う事実と、EV普及が電力需要の時間的ピークをどう変えるかという制度設計が、ロードマップ上で十分に翻訳されていません。誰が充電網を整備し、誰が送電線を増強し、誰がその費用を負担するのかという実行レイヤーが明確でない点が最大の欠落です。隠れた前提として、自動車産業の雇用を維持しながらEV転換を進められるという想定があり、これは産業政策と環境政策が常に一致するわけではないという別の見方で問い直せます。次の観測点は、2026年までの充電インフラ整備計画と、国内バッテリー工場の量産開始時期です。ロードマップは政治的目標であり、物理的な供給制約を尊重する工程表ではありません。