再エネ「最も競争力ある」 - 埼玉新聞
再生可能エネルギーが最も競争力のある電源であるとする記事
専門家の視点
再生可能エネルギーが「最も競争力ある」と題する記事は、コスト競争力の観点から再エネの優位性を伝える内容です。実体として、太陽光や風力の発電コストは過去10年で大幅に低下し、新規電源の中では最も安価なケースが多いという事実があります。物語は「再エネ=高い」という従来の認識を覆すフレーミングで、経路やKPIは示されていません。期待は、この訴求が導入拡大への後押しとなるという市場の楽観です。 構造的なズレは、コストだけが強調され、系統接続や出力変動への対応費用など、社会全体で負担する調整コストが省略されている点にあります。安い発電コストと、全体最適で見た際の追加費用は別の層の問題です。隠れた前提は「発電コストの比較が、エネルギー政策の最適解を決める」という考え方ですが、安定供給や国土利用という別軸の評価もあります。 次の観測点は、2025年度の次期エネルギー基本計画で、調整コストを含めた再エネ評価がどう位置づけられるかです。時間軸で言えば、コスト競争力の優位は当面続く一方、系統制約の解決が実装の鍵を握ります。数字の優位と制度の未整備が併存する、両立しにくい現実がここにあります。