制度・政策

【社説】脱炭素社会へ 排出量取引の有効活用を(西日本新聞) - Yahoo!ニュース

2026-05-04
排出量取引制度を活用し、脱炭素社会に向けた技術開発を促す必要性を論じた社説

専門家の視点

排出量取引制度が二酸化炭素の総量を市場原理で削減する仕組みである一方、省エネや代替燃料の技術開発を促すインセンティブとして機能するかは別問題です。現在の制度設計では、排出枠の無償配分が多く、価格シグナルが弱いため、企業はコスト回避に動き、技術投資に資金を回す構造ができていません。 物語先走りの構造です。中東情勢による化石燃料依存リスクを脱炭素政策の根拠にしていますが、エネルギー安全保障と排出削減は時間軸が異なります。安全保障は即効性を求められ、排出削減は長期の投資回収を前提とするため、短期的な価格高騰が技術開発へ向かう保証はありません。 実行レイヤーの欠落も見えます。排出量取引の運用には、排出量の計測・検証・報告を担う人材や、中小企業への技術普及を支える仕組みが必要ですが、これらの整備状況は示されていません。 隠れた前提は、企業が将来の炭素価格を正確に予測できるという点です。実際は政治判断で価格が変動し、投資判断の不確実性が増します。次の観測点は、政府が排出枠のオークション比率を引き上げるかどうかです。

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