再エネ・技術

スーパーGTが日本自動車会議所とともに第2戦富士のパドック内で水素による給電を実施

2026-05-04
スーパーGTが第2戦富士で水素による給電をイベント実施し、モビリティ分野での脱炭素技術実証が行われた。

専門家の視点

水素によるパドック給電は、レース界が掲げるカーボンニュートラル目標と、実証の場としてのレースの性格が一致した取り組みです。ここで見るべきは、給電そのものより、レース運営という実務の中に水素インフラを組み込んだ点です。これは実体が先行している事例といえます。水素の供給網や安全基準は、いまだ整備途上でありながら、実走行の場で使うことで課題を炙り出しています。一方で、この取り組みの物語は「デモンストレーション」に留まる恐れがあります。市民や投資家への波及効果は、モータースポーツファンという特定層に限定され、社会全体の水素理解には翻訳されていません。隠れた前提は「水素は給電に適する」という点です。現状の効率やコストを考えれば、定置型の蓄電池や充電インフラの方が実用段階では有利です。したがって、この給電の意義は技術優位性の証明ではなく、レースという時間制約のある環境で水素の実用性を検証する点にあります。次の観測点は、この方式が他戦や一般のイベント運営に横展開されるかです。それが実現すれば、物語が実体に追いつく形になりますが、現時点では実体と物語の間に開きがある構造です。

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