農水省、営農型太陽光発電の規制強化 「適切な営農継続」重視 市町村「特例」も - JAcom 農業協同組合新聞
農水省が営農型太陽光発電の規制を強化し、市町村特例を設けつつ適切な営農継続を重視する方針を示した。
専門家の視点
営農型太陽光発電の規制強化は、農地転用の実体と営農継続という物語の間に生まれたズレへの対応です。従来の制度は「営農の実態」を事後チェックに委ねていましたが、太陽光パネル下での農作物の収量低下や管理放棄が相次ぎ、制度の建前と現場の現実が乖離していました。今回の見直しでは、市町村が「特例」を設定できる枠組みを残しつつ、都道府県や市町村の審査権限を強化する方向です。 ここでの構造的な論点は、規制強化が「誰が実行するのか」という執行レイヤーにあります。審査を担う市町村の農業委員会は、人材不足や専門性の限界を抱えたままです。また、農地転用の許可権限を持つ都道府県と、実態把握を担う市町村との間で情報共有の非対称性が残ります。 発電事業者の視点では、長期の収益計画が制度変更で左右されるため、投資判断は萎縮するでしょう。一方で、農地を守るという公共目的は強く、両者は原理的に両立しにくい。次の観測点は、市町村特例の具体的な運用基準です。ここに現場の裁量と透明性を両立させる設計が示されるかが、規制強化の成否を分けます。今後の制度の実効性は、特例認定の審査プロセスとその公開度で測れます。