企業動向

激動商用車 アーチオン始動(2)ディーゼル延命・脱炭素両立 - 日刊工業新聞

日刊工業新聞 2026-04-30
商用車メーカーがディーゼル技術の延命と脱炭素化を両立させる取り組みを解説。

専門家の視点

ディーゼルエンジンの延命と脱炭素の両立を掲げる商用車戦略には、時間軸の非対称性が潜んでいます。実体として、既存ディーゼル車の資産価値と供給網は巨大で、電気自動車や水素などへの一足飛びの転換は現実的ではありません。一方で物語は、既存技術の改良による「つなぎの脱炭素」を強調しますが、この経路が最終的なカーボンニュートラルにどう接続するかの検証指標が不明瞭です。ここでのズレは、期待先行の構造です。排出規制強化やカーボンニュートラル宣言に反応した市場と政策が、ディーゼル改良を「脱炭素」と同一視し始めています。しかし、改良はあくまで相対的な排出削減であり、絶対量のゼロ化には到達しません。装置産業である商用車は投資回収に十年単位を要するため、今の技術選択が長期の排出構造を固定化します。この戦略が「延命」で終わるか「転換の橋」になるかは、誰が究極的なゼロエミッション車への投資を実行するかにかかっています。次の観測点は、この技術路線がいつまで市場で「脱炭素」と認められるかの年限です。ディーゼル改良は時間を買う手段であり、時間を消費する目的ではありません。

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