イージージェットとロールス・ロイスは水素燃料航空機エンジンの開発を進めているが - Entrevue
イージージェットとロールス・ロイスが航空業界の脱炭素化に向け水素燃料航空機エンジンの大規模試験を実施した
専門家の視点
水素航空機エンジンの開発は、技術実証と商業化の間に大きな時間的ギャップがあります。現時点での実体は地上試験段階であり、2020年代後半の飛行試験が現実的なマイルストーンです。一方、物語は航空脱炭素の切り札として水素を位置づけますが、グリーン水素の供給インフラや空港での液化水素貯蔵・供給体制は未整備です。期待は市場で先行しており、水素関連銘柄や航空株への投資熱が高まりますが、その期待を支える実体はまだ飛行実証すら完了していません。この構造は物語先走りの典型です。隠れた前提は、既存のジェット旅客機の機体形状と運用体系を維持したまま水素を燃料にできるという点です。水素は体積エネルギー密度が低く、機体設計の抜本的変更が必要で、現在の双発機の航続距離を維持するには不可能に近いです。次の観測点は、ロールス・ロイスが水素燃焼に特化した新型エンジンの実機搭載を発表するかどうかです。その発表があれば物語と実体の距離が縮まり、なければ水素航空は2030年代後半以降の長期テーマとして投資期待を冷ます必要があります。技術の可逆性は低く、一度水素専用設計に振り切れば従来燃料への回帰コストは莫大です。