脱炭素の切り札になるか「核融合発電」期待と課題 スタートアップに資金流入、国内で関連団体発足の写真一覧 - 東洋経済オンライン
脱炭素技術として期待される核融合発電のスタートアップへの資金流入や国内関連団体の発足について解説。
専門家の視点
核融合発電への期待と資金流入は、実体がまだ遠い段階での期待先行の構造です。技術的なハードルは依然として高く、商用炉の実現には数十年単位の時間軸が見込まれます。スタートアップへの資金流入や関連団体の発足は、将来の市場成長を見越した先行投資であり、現時点で発電実績が伴っているわけではありません。 ここで見逃せないのは、核融合が「脱炭素の切り札」と称される一方で、既存の再生可能エネルギーや原子力発電との比較検討が十分になされていない点です。核融合には、燃料となるトリチウムの生産や炉心材料の耐久性など、実用化に向けて解決すべき課題が山積しています。 物語は壮大ですが、実体が追いついていない典型的な物語先走りの構造です。時間軸の観点では、現在の脱炭素目標(2050年など)に核融合が間に合う可能性は低く、あくまで中長期的な選択肢として位置づけるべきです。次の観測点は、各スタートアップが掲げる実証炉の建設スケジュールと、その進捗状況の検証です。核融合は将来の有望な電源ですが、現行の脱炭素政策の中心に据えるには、まだ実体が伴わない現実があります。