再エネ・技術

千代田化工と日本郵船が連携 排出CO2を回収、安定した地層に貯留へ | カナロコ by 神奈川新聞

2026-05-02
千代田化工と日本郵船が工場排出CO2の回収・地中貯留で連携するニュース

専門家の視点

工場排出CO2の回収・地層貯留(CCS)に、設計会社と海運企業が組む構図は、目線の置きどころが明確です。輸送に強みを持つ日本郵船がCO2の海上輸送を担い、千代田化工が貯留サイトまでの一貫設計を担う。この役割分担は、実体としての技術蓄積が進んでいる証拠です。ただし、ここで問うべきは「どこに貯めるか」の決定主体であり、記事にはその貯留地点の特定や事業化時期の記述がありません。実体が翻訳されていない典型例です。排出源から貯留地までの距離が輸送コストを左右するため、近距離の国内貯留か、長距離の海外貯留かで経済合理性は大きく変わります。現時点で国内の貯留適地は実証段階であり、日本郵船の強みである国際輸送網が活きるのは海外貯留に限られます。この連携は、技術的可能性とビジネス化の間に存在する時間軸のギャップを埋めようとする試みですが、制度面の整備や貯留地の権益確保という実行レイヤーが未確定です。次の観測点は、両社がどの海域の貯留候補地を指名するかであり、そこが決まって初めてこの連携は実体として動き始めます。現状は、将来の事業像に関する物語が、地層の実証データより一歩先行している構造です。

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