企業動向

川崎重工業社長が「事業を“捨てられない”のではなく“捨てていない”」と豪語!あえて選択と集中を ...

2026-05-01
川崎重工社長が水素事業への取り組みや「脱・脱炭素」方針下での戦略について語り、事業の選択と集中について言及した記事。

専門家の視点

水素事業を「捨てていない」という社長の発言は、現時点での事業ポートフォリオ維持の意思表明であり、それ自体は経営判断として理解できます。しかし、この言葉の背景には、水素の社会実装が未だ商業化段階に達していないという実体があります。米国の政策転換によりLNG回帰の流れが強まる中、水素の需要創出は各国の補助金や規制に依存しており、川崎重工業の水素関連技術は長期的な競争力を持つ一方で、短期的な収益化の道筋は不透明です。ここにあるのは、技術的優位性と市場形成の遅れという二つの時間軸のズレです。さらに、水素サプライチェーン構築には巨額のインフラ投資が必要であり、その実行主体が明確でない点も構造的な課題です。社長の発言は「捨てない」という選択肢を示していますが、それは同時に、いつまで持ち続けるのかという時間軸と退出基準を明確にしていないことを意味します。次の観測点は、水素事業が単独で黒字化する時期の明示と、LNGとの併存戦略における投資配分の具体化です。期待先行の市場と、技術開発に長い時間を要する実体が乖離したままでは、企業の忍耐力が問われる構造です。

配信元の記事を読む →
← GXニュース一覧に戻る