GWMはトヨタと同様、多様なパワートレインを追求しEV一本足打法を避ける
GWMがトヨタと同様に、地域の実情に合わせてガソリン車からEV、水素技術まで多様なパワートレインを展開する戦略を紹介する記事
専門家の視点
多様なパワートレイン戦略は、需要側の実態に合わせた合理的な選択ですが、ここには供給側の思惑とのズレが潜んでいます。自動車メーカーにとって複数技術の並行開発は研究開発費と生産設備の二重投資を意味し、規模の経済が働きにくい構造です。トヨタが多路線を維持できるのはハイブリッドで回収した利益を水素やEVに再投資できるからですが、GWMに同様の利益率があるかは別問題です。この戦略の成否は、中国国内のEV市場での収益力にかかっています。もう一つの論点は水素です。商用車や寒冷地向けとしての水素活用は技術的には有望ですが、インフラ投資の回収見通しが立たない限り、実証段階を超えません。GWMの水素投資が研究開発なのか事業化なのかを見極める必要があります。物語先走りの構造です。期待は現地ニーズへの適応ですが、実体は多線型開発の資金繰りという、より厳しい経営判断です。次の観測点は、ロシアやブラジルでの現地生産開始時期と、水素関連の特許出願やパートナーシップの具体化です。多様化はリスク分散であると同時に、経営資源の分散でもあります。どちらの側面が強く出るかは、中国国内のEV販売の推移が握っています。