再エネ・技術

令和8年度第1回東京都グリーン水素トライアル取引について - jpx.co.jp

jpx.co.jp 2026-04-30
東京都が令和8年度第1回グリーン水素トライアル取引を実施するという内容。

専門家の視点

東京都グリーン水素トライアル取引は、需給調整市場を模した制度設計で、供給側の入札価格と需要側の買い付け希望価格を突き合わせる構造です。実体面では、国内のグリーン水素供給量が現状では極めて限定的で、取引規模そのものが試行段階のものにすぎません。ここでの核心は、価格発見機能を先に制度として設置した点です。この構造は「実体が翻訳されていない」段階ではなく、むしろ「物語先走り」の典型です。水素の製造コストは電力価格に依存し、現行の再生可能エネルギー価格では輸入水素や天然ガス改質水素に対抗できません。取引所に参加しても、コスト競争力のない供給者が継続的に参入する合理的なインセンティブはまだ存在しません。一方で、この取引は将来のカーボンプライシング導入や欧州の炭素国境調整措置を見据えた日本の制度実装の試金石です。次の観測点は、実際に成立した取引価格が従来の水素価格とどれだけ乖離するかです。制度はあるが市場が機能していない段階だからこそ、価格データが蓄積されること自体が最大の成果であり、そのデータが次の政策設計を左右します。

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