26年度取り組み方針―需要開発、物流改革も/アストモスエネルギー
アストモスエネルギーが26年度取り組み方針としてカーボンニュートラル社会の実現をテーマに掲げ、需要開発や物流改革など5つのテーマを設定した。
専門家の視点
アストモスエネルギーの26年度方針は、五つのテーマを並べることで、優先順位と実行手段の両方をあいまいにしています。需要開発と物流改革という具体的な経営課題と、カーボンニュートラル社会の実現という理念的目標が同じ階層に置かれ、どのテーマにどれだけの資源を配分するのかという実行レイヤーの情報が欠落しています。また、需要開発や販売促進・人材育成はアストモス自身が単独で実行できる一方、カーボンニュートラル社会の実現はサプライチェーン全体の協調が不可欠であり、主体と手段の非対称性が構造的な弱点です。この方針は、理念の表明と業務の列挙を一体化させることで、実体なき物語が先行する典型例です。次の観測点は、需要開発と物流改革について、具体的な数値目標や担当部署、投資額が年度内に公表されるかどうかです。それらが示されなければ、この方針は経営課題の羅列に終始し、カーボンニュートラルという言葉が実行を免罪する装置として機能します。五つのテーマを一つの方針に束ねた時点で、優先順位の放棄が構造として確定しています。