再エネ・再点検(中)陸上風力、撤退の連鎖 資材高や地元住民の反発響く - 日本経済新聞
資材高や地元住民の反発により、陸上風力発電事業からの撤退が相次いでいる現状を伝える記事
専門家の視点
陸上風力の撤退連鎖は、事業計画の前提が崩れた時点で、誰がコストを負担するかという構造が露呈したことを示しています。記事から確認できる実体は、資材価格の高騰と住民反対という二つの物理的・社会的制約が、事業の経済合理性を毀損したことです。しかし、この撤退をどの時点で判断し、既に投じた調査費用や用地交渉のコストを誰が負ったのか、という実行レイヤーの詳細は不明です。比較材料である過去記事でも同様の構図で、時間経過による進展や具体的な撤退条件は示されていません。ここにあるのは、再生可能エネルギー拡大という国全体の物語と、個別事業者の採算性という現実の間に、調整メカニズムが不在のまま放置されている構造です。次の観測点は、撤退した事業用地の扱いと、事業者側の損失がどのように処理されるかです。計画段階の期待が実証段階で裏切られた場合の退出基準が明確でない限り、同様の連鎖は再エネの他分野でも繰り返される仕組みです。