排出量算定

「脱炭素を進めるほど排出量が減らない」という声相次ぐ: 算定手法に矛盾も - オルタナ

2026-04-30
国際的な脱炭素イニシアティブが求めるスコープ1〜3排出量算定手法に矛盾があり、脱炭素を進めるほど排出量が減らないという課題が指摘されている

専門家の視点

算定手法の矛盾は、企業がサプライチェーン全体の削減を求める国際標準と、実際の算定方法が資金の流れや所有権に基づく受け渡しではなく、あくまで相手先企業の排出量をそのまま計上することから生じています。つまり、ある企業が省エネや燃料転換を進めても、その成果はサプライチェーン上の別の企業の排出量として計上され、自社のスコープ3削減には反映されにくい構造です。脱炭素行動が算定結果に直結しないため、企業の努力が数値に現れず、「進めても減らない」という認識が広がることも理解できます。今回の記事では具体的な代替算定手法やその実証データは示されておらず、どの基準で排出量を配分すれば矛盾が解消されるのかという論点は未検証のままです。次の観測点は、国際イニシアティブが算定ガイドラインを改定するかどうかではなく、個別企業が自社の削減貢献をどのような指標で開示し始めるかです。投資家がこの矛盾を認識した場合、数値でなく移行計画の質で企業を評価する方向へ判断軸が移ります。算定手法の精緻化は重要ですが、それ以上に行動と数値の乖離を明示する開示の仕組みが先に求められる状況です。

配信元の記事を読む →
← GXニュース一覧に戻る