【国際】GlobalABC、「ニアゼロエミッション・レジリエント建築物(NZERB)」の基準提示 | Sustainable Japan | 世界のサステナビリティ・ESG投資・SDGs - Sustainable Japan
GlobalABCが建築物のニアゼロエミッション・レジリエント基準を提示し、国際的な脱炭素化の枠組みを示した。
専門家の視点
建築物の脱炭素化は、世界のエネルギー関連CO2排出量の約4割を占める最大級の排出源です。今回の基準提示は、従来の「ゼロエミッション建築物」という技術的目標に、気候変動への適応力という新たな要件を加えた点に特徴があります。技術の実装水準と、異常気象下での建物機能の持続性という、従来は別々に扱われてきた二つの価値を統合したものです。 しかし、ここには二つの非対称性があります。第一に、基準の提示は国際的な合意形成の開始点であり、実際の制度導入や建築規制への反映には各国の国内法改正が必要です。第二に、新築と既存ストックの扱いです。世界の建築物ストックの大部分は既存建物であり、新築基準だけでは数十年単位での効果しか見込めません。 基準を確認する手段と、基準を実行する主体の不在が、この発表の最大の構造的弱点です。次の観測点は、この基準が国内の建築基準法や誘導施策にいつ、どのような形で接続されるかです。基準の提示は物語の充実であり、実行レイヤーの整備こそが今後の分水嶺になります。