電力自由化から10年、その成果と逆流——再エネ社会はなぜ進まないのか
電力自由化10年の成果を検証し、脱炭素電源オークションが再エネ普及を阻害する現状を指摘する記事。
専門家の視点
電力自由化から10年を経て、市場メカニズムが再エネ拡大ではなく、採算性の悪い化石燃料発電と原子力を支える方向に機能している現実が浮かび上がります。今回の記事で確認できる実体は、吉田氏による制度設計の帰結への指摘だけであり、再エネ比率やCO2削減量、電力価格の変動といった測定可能な成果は示されていません。つまり、制度の「目的」と「実行結果」の間に検証可能な数値が不在のまま、評価が語られている構造です。 長期脱炭素電源オークションという制度は、脱炭素電源への投資を長期で保証する仕組みですが、同時に既存の非効率電源を市場の競争圧力から隔離する役割も果たします。ここで重要なのは、制度が「脱炭素」という物語を掲げながら、実際には既存電源の延命という逆機能を持つ可能性です。比較材料の過去ニュースでも同様の論点が扱われていますが、今回の記事では成果の検証基準が省略され、逆流の構造だけが強調されています。 次の観測点は、このオークション制度が実際に落札した電源の内訳と、稼働開始後のコスト転嫁の実態です。