「LH₂ BOG圧縮機」が川崎LH₂ターミナル向けに採用 | 2026年度 | ニュース
専門家の視点
液化水素ボイルオフガス圧縮機の採用が、実証から商用規模基地への移行段階の設備発注として確定した点が実体です。真空ジャケットによる約-240℃の直接吸入、3室型シール、極低温対応材料という仕様が示され、LNG圧縮機の知見とプロトタイプ成果の転用経路も明示されています。一方、圧縮機の台数、処理能力、稼働開始時期、実際のBOG発生量、コストは本文に記載がなく、確認できない部分です。物語は「脱炭素エネルギー供給網の安定操業」を軸に、目的と手段が素直に対応しています。ただし供給先の需要家が誰か、ガス供給量がどの程度かは語られておらず、サプライチェーン全体の成立条件は省略されています。期待は川崎重工、日本水素エネルギー、NEDO基金という実行主体の側が先行し、需要側の輪郭は見えません。次の観測点は、ターミナル側の試運転で圧縮機が設計性能を満たすか、BOG回収率と連続運転時間がどこまで公表されるかです。極低温機器の国産サプライヤー参入は、GX人材にとって運転データを扱える人材の需要を示します。
当社の100%グループ会社である株式会社IHI回転機械エンジニアリング(所在地:東京都江東区、社長:森川 圭一、以下「IHI回転機械エンジニアリング」)が手掛ける液化水素ボイルオフガス(LH₂ BOG)圧縮機が、このたび、川崎重工業株式会社が神奈川県川崎市扇島で建設を進める液化水素基地「川崎LH₂ターミナル」向けに採用されました。 川崎LH₂ターミナルは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業の支援を受け、日本水素エネルギー株式会社が主導する「液化水素サプライチェーンの商用化実証」の中核施設の一つであり、世界初の商用規模の液化水素基地です。 IHI回転機械エンジニアリングが手掛けるLH₂ BOG圧縮機は、LH₂貯蔵タンク内で発生する気化ガス(BOG)を直接吸入・圧縮し、タンク内の圧力を適正に維持するとともに、パイプラインを通じた需要家へのガス供給を支えます。これにより、LH₂ターミナルの安定操業に貢献します。 川崎LH₂ターミナルにおけるBOG回収・再利用イメージ 極低温水素に対応する圧縮技術 IHI回転機械エンジニアリングは、これまで液化天然ガス(LNG)受入基地の主要な機器であるLNG BOG圧縮機で培ってきた知見に加え、自社開発のプロトタイプ機で得られた成果を活用し、極低温水素ガスを直接吸入・圧縮するLH₂ BOG圧縮機の技術開発を進めてきました。LH₂貯蔵タンク内での貯蔵に伴い発生するBOGを安全かつ効率的に処理する圧縮技術は、今後の脱炭素エネルギー供給網の実装を支えるものです。 自社開発のプロトタイプ LH₂ BOG圧縮機の主な特長 ・真空ジャケット シリンダに真空断熱構造の真空ジャケットを採用し、周囲からの熱の侵入を抑制し外表面での空気の液化を防止することで、約-240℃の極低温水素ガスの直接吸入を可能とします。これにより、極低温域での圧縮特性を活かし、圧縮機全体の高い省エネ性能を実現します。 ・3室型中間筒シールシステム 水素ガスの漏えいや潤滑油への混入を防止するため、中間筒を3室構造とし、水素ガス系統と潤滑油系統を段階的に隔離します。(特許番号:日本 第6781795号、世界各国で特許出願中) ・極低温ガスへの対応材料 極低温水素環境下での耐久性と信頼性を確保するため、ガスに接する主要部材に極低温水素に対応する材料を採用しています。 LH₂ BOG圧縮機イメージ IHI回転機械エンジニアリングは、川崎LH₂ターミナル向けLH₂ BOG圧縮機の提供を通じて、脱炭素エネルギーインフラの社会実装を支援します。今後もお客さまおよびパートナー企業と連携し、脱炭素エネルギーインフラを支えるキーデバイスとしての価値を高めることで、低炭素社会の実現に貢献してまいります。 【会社概要】 株式会社IHI回転機械エンジニアリング 会社ホームページ https://www.ihi.co.jp/irm/ LinkedIn https://www.linkedin.com/company/ihi-rme/ 圧縮機、分離機、舶用過給機、歯車装置の開発・製造・販売 プラントエンジニアリングおよび据付、メンテナンス、アフターサービスなど
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