電源融資でSMRに余地/5年後、検証も
電源融資の対象に小型モジュール炉(SMR)を加える余地を示し、5年後に技術開発や需給、国際的な脱炭素化の状況を踏まえて融資規模を検証する方針を報じた。
専門家の視点
SMRを50万キロワット未満の電源として融資対象に含める余地を残した点が、今回の制度設計の核心です。実体として確認できるのは、改正電気事業法に基づく融資制度の創設と、5年後の見直し条項の存在だけであり、具体的な融資額や対象事業の基準は未確定です。物語としては、技術開発と需給、国際的な脱炭素化の動向を踏まえた柔軟な制度運用が強調されていますが、肝心のSMRの商業炉としての実証稼働時期やコスト競争力という、融資の返済可能性を左右する要素は省略されています。期待の面では、制度の枠組みを先に作ることで、5年後の検証までにSMRの技術成熟度が高まるという前提が置かれていますが、現行の原子力規制やサイト確保の課題は論点から外れています。この構造は、融資という資金供給手段だけを先行させ、実装段階で不可避な許認可や立地の制約を後回しにするものです。制度の柔軟性は歓迎する一方、5年後の検証時期が、SMRの実証炉が運転を始めるかどうかの瀬戸際と重なるため、次の観測点は、実際に50万キロワット未満の案件が融資申請に至るかどうかです。