アンモニア焚き大型舶用エンジン及びアンモニア燃料供給装置の商品化を完了
専門家の視点
アンモニア焚き大型舶用エンジンと燃料供給装置の商品化完了は、2026年2月の陸上試験とNOx規制適合確認という測定可能な検証を経て、実船向け供給が可能になった段階です。ここでは「商品化完了」という説明と、実際の供給体制整備という実体が一致しており、試験・審査・適合という順序で検証が示されています。一方で、商品化はあくまでも「供給可能」を意味し、実船への搭載実績や運航データはまだ確認できません。両ライセンスエンジン対応の陸上試験用AFSS増設は需要増加への事前投資であり、量産体制構築という実行レイヤーが明確です。資金源としてNEDOのグリーンイノベーション基金と環境省・国交省の連携事業が並置されていますが、実船での安全性・信頼性が実証されたわけではありません。最大の観測点は、商品化されたエンジンとAFSSが実際の船舶に搭載され、商用運航でどのような性能を示すかです。国庫補助に依存した事業構造であることから、社会実装後の自立した需要創出が次の課題です。供給準備が先行する一方で、実船実証という最終関門が未通過である点が、この商品化発表の構造的な特徴です。
株式会社三井E S(本社:東京都中央区、代表取締役社長:高橋 岳之、以下「当社」)は、アンモニア焚き大型舶用エンジン(以下「アンモニア焚きエンジン」)及びアンモニア燃料供給装置(以下「AFSS」)の商品化を完了しました。これにより、当社は国内唯一のアンモニア焚きエンジンとAFSSの両者を製造する企業として、アンモニア燃料船の実用化に向けた舶用推進システムの供給体制を整えました。 アンモニアは燃焼時に二酸化炭素を排出しない次世代燃料として期待される一方、燃えにくい性質に加え、毒性や腐食性に注意を要するため、社会実装にあたっては安全性・信頼性・環境性能の確保が重要です。当社は、2026年2月に一般財団法人日本海事協会立会のもと、アンモニア焚きエンジン「MITSUI-Everllence B W 7S60ME-C10.5-LGIA-HPSCR」とAFSSの連携運転による陸上試験を実施し、これらの性能を確認しました。同試験及びその審査結果を経て、船級の定める規則に則した陸上試験の完了と、NOx鑑定による国際海事機関の定めるNOx規制への適合が確認されたことにより、当社はアンモニア焚きエンジン及びAFSSの商品化を完了し、実船向け供給が可能となりました。 また当社は、Everllence及びWinGDの両ライセンスエンジンに対応する陸上試験用AFSSの増設を既に決定しています。これに伴い、両ライセンスに対応したエンジンとAFSSの量産体制を構築し、今後見込まれる需要の増加に対応してまいります。当社は、アンモニアをはじめとする多様な次世代舶用燃料に対応したエンジンラインナップの拡充を進めるとともに、アンモニア焚きエンジンとAFSSを一体で提供できる強みを活かし、海上輸送の脱炭素化の実現に貢献してまいります。 AFSSの開発には国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金「アンモニア燃料船開発と社会実装の一体型プロジェクト」、陸上試験用AFSSの増設には環境省と国土交通省の連携事業である「ゼロエミッション船等の建造促進事業」を活用しています。 舶用推進システム事業部 企画管理部 Tel.:03-3544-3077 経営企画部 広報室Tel.: 03-3544-3147
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