再エネ・技術

先進的CCS事業 船舶輸送案件に係る排出事業者クラスターの選定 : ニュースリリース | 独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構[JOGMEC]

jogmec.go.jp 2026-08-24
JOGMECは船舶輸送によるCCS事業で、コスト低減を目的にクラスター形成を促す公募を実施し、委託先候補として6案件を選定した。

専門家の視点

船舶輸送型CCS事業は、パイプライン輸送と比べて液化・一時貯蔵・輸送の追加工程がコスト高を招き、事業自立化の障害となるという構造的課題が公的な検討で確認されました。これを踏まえ、令和8年度からはクラスター形成による集荷・集積の効率化と設備共用化を公募し、6案件が委託先候補として選定されています。ここで注目すべきは、複数排出事業者が設備を共用することで単独案件よりコストを下げるという手段が、まだ契約段階であり、実際のコスト低減効果は未検証だという点です。つまり、課題認識の共有から解決策の実行への移行途中にあります。また、過年度に検討してきた船舶輸送案件の輸送・貯留部分が引き続き協議対象とされていることは、選定されたクラスターが既存案件を補完する形なのか、置き換えるのかが曖昧なまま進んでいることを示します。次の観測点は、委託契約の締結時期と、クラスター形成が実際にどの程度の輸送コスト削減をもたらすかの定量的な報告です。コスト課題の認識から公募・選定まで進んだ点は前進ですが、効果の実証が伴うまでは、計画段階の構造は変わりません。

JOGMECは、令和5年度より、横展開可能なビジネスモデルを確立するために模範となる先進性のあるプロジェクトを「先進的CCS事業」として選定し、CO2の分離・回収から輸送、貯留までのバリューチェーン全体を1つの事業として垂直統合的に支援してきました。 令和6年度以降は、国内の貯留地までパイプラインでCO2を輸送する3案件(以下、「パイプライン案件」)、および国内並びに海外の貯留地まで液化したCO2を船舶で輸送する6案件(以下、「船舶輸送案件」)の計9件のプロジェクトに関して検討を進めてきました(注1)。 令和7年度までの検討の結果、船舶輸送案件では、パイプライン案件と比べた場合に追加の工程となるCO2の液化・一時貯蔵、および輸送等にかかるコストが高く、CCS事業を自立化する上では一層のコスト低減が重要な課題の一つと認識されました。 令和8年度からはクラスター形成による効率的なCO2の集荷・集積および液化・一時貯蔵・出荷設備の共用化を促進すべく、令和8年2月4日から3月6日まで本件公募(注2)を新たに実施し、今般、委託先候補として6案件(クラスター)を選定しました。選定した6クラスターについては、今後契約に向けた協議を行い、早期の締結を目指してまいります。 また、過年度に検討してきました船舶輸送案件の輸送・貯留部分につきましても、引き続き検討・協議を進めてまいります。 図:公募により選定されたクラスターの一覧 (以下では、東のクラスターから順に記載) PDF形式のファイルをご覧いただくには、アドビシステムズ社から無償配布されているAdobe Readerプラグインが必要です。

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