企業動向

商工中金と三菱重工、中小企業の脱炭素推進に向けた新たな枠組みづくりで合意 | 三菱重工

mhi.com 2026-08-13
商工中金と三菱重工は、中小企業の脱炭素支援ノウハウと省エネ技術を相互提供し、脱炭素と事業成長の両立を推進する枠組み構築で合意した。

専門家の視点

中小企業の脱炭素支援で、金融ノウハウと工場実績の技術が結びつく枠組みです。商工中金は公的認証取得支援の実績を持ち、三菱重工は自社工場で限界削減費用曲線(MACカーブ)という費用対効果の可視化手法を実践してきた。この手法を簡易ツール化し、商工中金が中小企業向けに高度化する役割分担です。2026年度からの排出量取引制度本格稼働を前に、脱炭素の費用対効果が分からないという中小企業の課題に応える設計になっています。実体と説明の間に大きな矛盾はなく、両社の強みを段階的に組み合わせた実行可能な枠組みです。ただし、この合意は枠組みづくりであり、具体的な支援件数や削減効果の数値目標は示されていません。中小企業白書が指摘する「効果が見えにくい」という課題への回答として、MACカーブのツール化は有効な方向性ですが、金融機関が削減効果を客観的に示せるかどうかが実効性の分岐点です。今後確認すべき観測点は、このツールが単なる診断に留まらず、省エネ設備投資やサステナブルファイナンスと接続されるかです。

◆ 商工中金の中小企業向け脱炭素支援ノウハウと、三菱重工の省エネ技術を互いに提供 ◆ 中小企業の脱炭素推進における課題解決を推進し、国内産業の成長と競争力強化に貢献 株式会社商工組合中央金庫(社長:関根 正裕、本社:東京都中央区、以下、商工中金)と三菱重工業株式会社(社長:伊藤 栄作、本社:東京都千代田区、以下、三菱重工)は、この度、商工中金が保有する中小企業向けの脱炭素支援ノウハウと、三菱重工が自社工場の脱炭素活動で培った省エネ技術を互いに提供し、中小企業が抱える脱炭素と事業成長の両立という課題解決を推進する枠組みを構築して、国内産業のGX(グリーン・トランスフォーメーション)の推進及び競争力強化に積極的に貢献していくことで合意しました。 政府のGX推進戦略では、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、脱炭素と経済成長の同時達成を目指した各種施策が積極的に進められています。2026年度から排出量取引制度(GX-ETS)が本格稼働するなど、CO2排出量や削減量に価格が設定される社会が到来します。一方で、2025年版中小企業白書によれば、多くの中小企業は、「脱炭素経営に取り組んでもコストに見合うメリットが分からない」「具体的な効果や成果が見えにくい」といった課題を感じており、脱炭素を進める上で最初のステップとなる省エネも十分に進んでいない現状です。 商工中金は、中小企業向けCO2削減目標に関する公的認証の取得支援で金融機関トップクラスの実績を有しており、2026年度より2050年に向けた自社および投融資ポートフォリオのGHG排出量(Scope1~3)のネットゼロ達成目標を設定予定です。今後は認証取得支援にとどまらず、CO2排出削減に向けた費用対効果を客観的に示す具体的な提案や、サステナブルファイナンスなど、商工中金ならではの金融支援を提供することで、中小企業の脱炭素経営を一気通貫で支援し、顧客のさらなる成長に貢献できると考えています。 三菱重工は、自社工場でのCO2排出削減の取組を通じて、工場の脱炭素経営ノウハウを蓄積し、MACカーブ(Marginal Abatement Cost Curve:限界削減費用曲線)を用いた計画策定によって、省エネ・合理化を実現してきました。MACカーブは、CO2排出削減の具体的な施策の費用対効果を可視化することができるため、脱炭素推進の共通手法として広く活用することで、特に脱炭素と経済性の両立を課題とする中小企業において、排出削減と事業成長を両立する取組が広がると考えています。 このほど、三菱重工は、自社での取組を通じて、MACカーブを工場のCO2排出削減に活用する際の使いやすさや実用性を検証し、そこで得たノウハウを整理・標準化し、専門的な知識がなくても活用できる簡易的なツールとして整備しました。商工中金は、三菱重工がツール化したMACカーブをベースに、中小企業の実情やニーズを反映したツールへと高度化し、脱炭素推進を進めていきます。 両社は、中小企業の脱炭素経営を推進していくためには、政府、地方自治体や関連機関、エネルギー事業者、省エネ・再エネ設備を供給する事業者など、多様な組織との連携が不可欠であると考えています。将来的には、各業界のステークホルダーを巻き込んで多くのソリューションを集約できる枠組みづくりをリードしていきたいと考えており、両社はこの提携をその第一歩として位置付けています。 商工中金と三菱重工は、今回の枠組みを通じて中小企業の脱炭素に関する取組を促進し、国内産業のGX推進に積極的に貢献していきます。 MACC = Marginal Abatement Cost Curve:限界削減費用曲線 三菱重工グループについて 三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。 長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。

本文は配信元の記事から取得した抜粋です。

配信元の記事を読む →
← GXニュース一覧に戻る