再エネ・技術

スロバキア モホフチェ4号機が初臨界達成

2026-08-12
スロバキアのモホフチェ4号機が初臨界を達成し、同国は石炭火力全廃の上で原子力・水力・太陽光による脱炭素電源100%を実現した。

専門家の視点

モホフチェ4号機の初臨界は、計画と実行の間にある非対称性を鮮明に示す事例です。燃料装荷から初臨界まで約5週間という短期間での達成は技術的な進捗ですが、記事が強調する「電力消費量の77.5%を原子力が賄う」という将来像は、今後の出力試験や送電網接続という実行段階を経て初めて実現するものです。現時点では「初臨界」という測定可能な事実と、将来の稼働率や安定性という未確定要素が同居しています。 スロバキアが既に脱炭素電源100%を達成している事実は、原子力の割合を高める追加投資の経済合理性を支える背景です。しかし、ボフニチェ5号機の新設計画はFEED調査合意という極めて初期段階であり、AP1000の採用可否も含めて、投資判断と実際の稼働には長い時間軸が存在します。2024年の石炭全廃と原子力偏重の構造は、電力需給の柔軟性という観点ではリスクも内包します。 次の観測点は、4号機が送電網に接続され、定格出力での安定運転に入る時期です。同時に、ボフニチェ5号機のFEED調査が具体的な建設コストと工期をどう示すかが、スロバキアの原子力拡大路線の持続可能性を判断する分水嶺になります。

モホフチェ発電所 © Slovenské Elektrárne スロバキアのモホフチェ原子力発電所4号機(VVER-440, 47.1万kWe)は8月6日、初臨界を達成した。同機では6月29日に燃料装荷が始まった。今後、様々な出力レベルでの試験を実施し、運転条件下における発電所の全システムの挙動を検証、送電網に接続する準備を整える。 モホフチェ4号機が稼働を開始すれば、スロバキアの電力消費量の77.5%を原子力発電が賄うことになり、スロバキアは世界で最も原子力発電の割合が高い国の一つとなる。 スロバキアでは現在、モホフチェ発電所で3基(1~3号機、VVER-440)、ボフニチェ発電所で2基(3~4号機、VVER-440)の計5基が運転中。両発電所の運転者はスロバキア電力で、2024年3月には石炭火力発電所をすべて閉鎖し、原子力発電、水力発電、太陽光発電による脱炭素電源100%を達成している。 また、電力需要の増加を受け、政府はボフニチェ発電所5号機に最大出力120万kWeの新設を計画。米ウェスチングハウス(WE)社製AP1000の採用が有力視されており、今年4月末、米国、スロバキア、WE社間で基本設計(Front-End Engineering Design, FEED)調査の開始で合意されている。

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