企業動向

レアアースの中国依存“脱却”へ 「5年後の勝利」に向けた険しい道のり

2026-08-09
重要鉱物であるレアアースの中国依存脱却に向け、豪州ライナス社の躍進や新鉱床確保など、供給網多様化の取り組みと課題を報じる内容

専門家の視点

中国依存の脱却という目標と、その実行手段との間に明確な非対称性があります。記事が示すのは「5年後の勝利」という物語と、豪州ライナス社の躍進や新鉱床確保という実体の一部ですが、精錬・分離工程の能力、コスト競争力、環境規制への適合という、サプライチェーンで最も難しい部分が省略されています。採掘と選鉱は比較的容易でも、中国の強みはそこではなく、低コストで大量に処理できる分離技術と人材にあります。この工程を作り上げるには、鉱山開発以上の時間と投資が必要です。期待の層では、政治と産業界が依存低減の期待を先行させていますが、実際に精錬施設を建設し稼働させる企業や人材の確保という実行主体が不明確です。脱却とは、単に供給源を分散することではなく、技術とコストの壁を自前で乗り越えることを意味します。次の観測点は、ライナス社を含む非中国系企業が、精錬工程で中国外に大規模な処理能力を実際に完成させ、市場価格で競争できる段階に達するかどうかです。資源の確保は始まったばかりであり、5年後に中国依存が実質的に低下している可能性は、現時点の情報では低いと言わざるを得ません。物語先走りの構造です。

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