再エネ・技術

グリーンイノベーション基金事業「次世代型太陽電池の開発

2026-08-09
政府のグリーンイノベーション基金事業として、カーボンニュートラル実現に向けた次世代型太陽電池の開発が進められている。

専門家の視点

ペロブスカイト太陽電池の追加公募で新規1件が採択され、予算623億円、期間7年という事業枠組みの中で、量産技術開発と国内外のフィールド実証が並行して進められることになりました。発電コスト14円/kWhという数値目標が示されていますが、この目標達成の具体的な検証方法や、採択企業が誰であるかは記事からは確認できません。 ここでの構造的な論点は、目標と実行手段の非対称性です。公共施設・インフラ空間での実証は初期需要の創出につながるという説明はありますが、実際に設置許可を出す自治体や管理者との調整プロセス、維持管理の責任分担といった実行レイヤーが省略されています。さらに、ロール・ツー・ロール方式の量産技術確立には材料・装置・プロセスの一貫した開発が必要ですが、1社の採択でこれらをどこまで担えるのか、記事からは判断できません。 また、2030年度までの7年間という時間軸の中で、量産技術の確立と実証の成果が社会実装に結びつく段階が明確に区別されていません。技術開発の「できる」と市場投入の「できる」は異なる速度で進むのが一般的です。

画像(1枚) ペロブスカイト太陽電池の量産技術開発とフィールド実証を通して公共施設・インフラ空間などへの導入促進につなげますNEDOは、グリーンイノベーション基金事業「次世代型太陽電池の開発」プロジェクト(以下、本プロジェクト)の「次世代型単接合太陽電池実証事業」において追加公募を行い、ペロブスカイト太陽電池の量産技術開発とユーザーと連携したフィールド実証を行う研究テーマを、新たに1件採択しました。今回採択したのは、戦略17分野における「主要な製品・技術等」の官民投資ロードマップに挙げられた国が講じるべき施策に対応して、公共施設・インフラ空間などでの実証を重点的に行うとともに、海外実証にも取り組む企業1社です。量産技術の開発を実施するとともに実証を通して公共施設・インフラ空間などでの特有の課題を抽出し対応します。これによりペロブスカイト太陽電池の初期需要の創出に取り組むことで社会実装につなげるとともに、日本の太陽光発電産業の競争力強化を目指します。[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/135644/299/135644-299-d56c6720075807b7d2c791110ca09928-2500x647.jpg?width=536 quality=85%2C75 format=jpeg auto=webp fit=bounds bg-color=fff ] 図 グリーンイノベーション基金事業のロゴマーク1.グリーンイノベーション基金事業について日本政府は2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、2050年までに温室効果ガス(GHG)の排出量を全体としてゼロにする目標を掲げました。この目標は従来の政府方針を大幅に前倒しするものであり、実現するにはエネルギー・産業分野の構造転換や大胆な投資によるイノベーションなど、現行の取り組みを大きく加速させる必要があります。このため、経済産業省はNEDOに総額2兆円の基金を造成し、官民で野心的かつ具体的な目標を共有した上で、これに経営課題として取り組む企業などを研究開発・実証から社会実装まで最長10年間継続して支援するグリーンイノベーション基金事業(以下、本基金事業)を立ち上げました。本基金事業はグリーン成長戦略※1で実行計画を策定している重点分野または「GX実現に向けた基本方針※2」に基づく今後の道行きが示されている主要分野を支援対象としています。また、令和4年度第2次補正予算により3000億円が積み増しされており、令和5年度当初予算により4564億円が積み増しされました。なお、NEDOは本基金事業の取り組みや関連技術の動向などをわかりやすく伝えていくために、「グリーンイノベーション基金事業 特設サイト※3」を公開しています。2.本プロジェクトの背景本プロジェクトでは、シリコン系太陽電池に対抗しうる次世代型太陽電池として有望視されるペロブスカイト太陽電池の開発・製品化・市場開拓を早期かつ着実に進めるため、産学官の連携した開発体制を構築し、太陽電池の性能向上と実用化レベルの大型化を実現するための技術開発を進めてきました。今回、新規採択を1件行った研究開発内容「次世代型単接合太陽電池実証事業」では、品質を安定させつつ大量生産を可能とするための量産技術の開発と、国内外の市場を想定したフィールド実証を並行して実施します。これにより発電コスト14円/kWhの達成とペロブスカイト太陽電池の早期の社会実装を図るとともに、日本の太陽光発電産業の国際競争力強化を目指します。3.事業内容【1】事業名グリーンイノベーション基金事業/次世代型太陽電池の開発/次世代型単接合太陽電池実証事業【2】予算623億円(NEDO支援規模)【3】期間2024年度~2030年度(7年間)【4】事業概要品質を安定させつつ大量生産が可能な量産技術の確立に向け、一連の生産プロセス(ライン)として高いスループット※4や高い歩留まりを実現する技術開発を行います。例えば、ロール・ツー・ロール(R2R)方式の製造に適した材料、製造装置と製造プロセスの開発とその検証、および改善点を抽出してのフィードバックなどを通じて、量産技術の確立に取り組みます。また量産技術の確立と並行して、ペロブスカイト太陽電池の特徴を活かした設置方法や施工方法などを含めた性能検証のため、耐荷重の小さい屋根やビル壁面、公共施設・インフラ空間などへの設置など国内外の市場を想定して海外を含めたフィールド実証(建築物などの実用箇所への施工、運用試験)を行い、必要に応じて検証結果を踏まえた改良を行うことで、ペロブスカイト太陽電池の実用化を促進します。4.採択テーマ【1】テーマ名薄ガラス型軽量ペ

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