トヨタの「水素 HV」車の公道実証、全国唯一「地産地消」の水素活用できる徳島県で開始
専門家の視点
徳島県とトヨタが開始した水素エンジンハイブリッド車の公道実証は、一見すると技術検証ですが、その実体は限定的な条件下での試験運用にすぎません。実証に使われるのは1両のみで、期間は約半年間、走行距離も約250キロと、市販EVの600〜700キロと比較して大幅に短いのが現状です。燃料となる水素の供給は、東亜合成徳島工場という特定の立地条件に依存しており、この「地産地消」モデルは全国に展開できるものではありません。 物語の側面では、環境性能と既存エンジン技術の活用という魅力が強調される一方で、水素ステーションの整備不足や航続距離の短さといった課題も記事内で認められています。つまり、説明は技術的可能性を前面に出しつつも、実用化への壁を同時に示しており、その意味で自己検証的です。 期待の層で見ると、環境意識の高いホテルや大学がパートナーとして参画し、一定の需要を創出していますが、これは県とトヨタの呼びかけによるもので、自発的な市場形成ではありません。ここに、行政と自動車メーカーが主導し、ユーザーは検証に協力するという構図が明確にあります。
技術実証に使われるトヨタの水素エンジンハイブリッド車=徳島県提供 【読売新聞社】 徳島県とトヨタ自動車は、水素エンジンを搭載したハイブリッド(HV)車の技術実証を始めた。ガソリンの代わりに水素を燃やしてエンジンを動かす。県によると、公道を走る実証は全国初の試みで、県内のホテルや大学が業務で使って燃費や走行距離などを測り、実用性や課題を検証する。(松本裕平) 実証に使われるのはトヨタのハイエース(定員10人)を改造した1車両。水素で作った電気でモーターを回す燃料電池車(FCV)と違い、一般的なガソリン車と同じエンジンを水素を燃やして動かす。燃焼時に二酸化炭素をほぼ排出しないため、環境に優しいのが特長だ。 日本の自動車産業が得意とするエンジン技術を活用できるうえ、FCVよりも低純度の水素で動かせることから、コストの低減も可能となるという。水素は次世代のエネルギーとして国を挙げて研究開発が進んでいる。電気自動車(EV)が普及する中、水素エンジン車は将来の移動手段として期待が集まる。 全国初の実証が県内で7月上旬から開始された背景には、化学メーカー東亜合成(東京)の徳島工場(徳島市)に隣接する水素ステーションの存在がある。同工場で食塩を電気分解する際に発生する水素を供給しており、全国で唯一「地産地消」の水素を活用できるとして、トヨタが県に実証を提案した。 実証には県の呼びかけで県内の4ホテル事業者と徳島大、四国大がパートナーとして参画。業務用車両として交代で使用し、燃費や走行距離などのデータや乗り心地などユーザーの声を集める。 鳴門市のホテル「アオアヲ ナルト リゾート」では、宿泊客の送迎車両として活用し、担当者は「ホテルは国立公園にあり、環境への配慮は意識しているので、ぜひ協力したい」としている。 トヨタは水素エンジン車を2021年に開発。豪州などで技術実証を続け、環境性能に厳しい欧州市場向けに、HV車への搭載も試している。一度の補充で走れる距離は約250キロ・メートルで、市販のEVの600〜700キロ・メートルとはまだ差がある。現状では限られる水素の補充施設の整備も課題だ。 実証期間は12月22日までの約半年間を予定する。県サステナブル社会推進課は「徳島での実証で、新技術の実用化を後押ししていく」としている。
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