企業動向

工場の熱エネルギーの脱炭素化に向け、燃焼式工業炉での水素利活用の実証を開始 | KOBELCO 神戸製鋼

kobelco.co.jp 2026-08-08
神戸製鋼が高砂製作所に国内最大級の水素燃焼バーナを備えた直接式金属加熱炉を導入し、工場熱エネルギー脱炭素化に向けた水素利活用の実証を開始した。

専門家の視点

水素専焼まで自在に混焼比率を変更できる国内最大級の加熱炉を実機規模で導入した点が、今回の実証の核心です。都市ガス専焼から水素専焼まで連続的に移行できる設備は、供給体制の整備に合わせて燃料転換を進めるという段階的アプローチと整合します。一方で、実証開始は「設備導入」の段階であり、製品品質への影響検証や商用化判断は今後です。また、水素供給を「つくる」側と位置付け、水電解装置や液体水素気化器まで含む一連のサプライチェーンを自社グループで実証する構えも示されています。ここで注目すべきは、供給側と利用側の両方を同時に実証するという垂直統合型の取り組みであり、外部の水素インフラ整備の進展を待つだけでなく、自社で実証を通じて需給の接続点を把握しようとしている点です。過去記事で同様の実証開始が報じられており、今回の記事はその後の段階として設備仕様や委託元をより具体的に示しています。今後の観測点は、実証で得られる水素供給技術が社外に展開可能な汎用性を持つかどうかです。社内完結型の実証は、商業利用への移行判断と同時に、水素サプライチェーンを業界横断でどう標準化するかという実行レイヤーが次の課題になります。

当社は、素形材事業と機械事業の製造中核拠点である高砂製作所※1において、水素燃焼バーナを用いた直接式金属加熱炉を新たに導入し、水素利活用の実証を開始しました。 この加熱炉は都市ガス専焼から水素専焼まで、幅広く自在に混焼比率を変更できます。また、合計の燃焼容量が国内最大級(2,791kW)であり、当社が提供している素形材製品の加熱処理が可能です。 本件は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)から実証委託として採択された「水素社会構築技術開発事業/地域水素利活用技術開発/(ロ)地域モデル構築技術開発」に係る取組みで、実機規模のボイラおよび加熱炉での水素利活用の実証である「熱エネルギー消費が主体の工場の脱炭素化に向けた燃焼式工業炉での水素利活用の実証」※2(以下、本事業)として、実証事業を行ってきたものです。今後も国内の水素供給体制の構築に合わせた段階的な燃料転換を想定し進めていきます。 なお、加熱炉およびバーナの設計・施工は中外炉工業株式会社※3が担当しました。今後も本事業を通じて、水素を燃料とする直接式金属加熱炉の商用利用に向け、操炉技術および水素供給技術の獲得、製品への影響の検証を進めていきます。 また、当社グループは水素の燃料利用の実証(つかう)に加え、「ハイブリッド型水素ガス供給システム」※4をはじめとした水素供給に関する多様な技術開発(つくる)にも取り組んでいます。本事業においては、国内の水素供給体制の構築に合わせた段階的な燃料転換を想定し、実機規模の工業炉での水素混焼および専焼による運転を、水電解装置による水素製造と液体水素気化器による水素供給も含めて実証しています。これにより、水素の供給から利活用に至る一連のサプライチェーン構築の進展に寄与すると考えています。 なお、本取組みに関しては「H2 FC EXPO 第25回 国際水素・燃料電池展」において関連パネルの展示を行います。 当社グループは今中期経営計画(2024~2026年度)において「稼ぐ力の強化と成長追求」および「カーボンニュートラルへの挑戦」を最重要課題に掲げ、これらを実現するための変革「KOBELCO-X※5」を推進しています。本事業(つかう)および水素供給(つくる)の取組みなどは、AX、GXの一例と位置付けています。今後も本実証設備を活用し、水素利活用およびビジネス機会の探索を行っていきます。 今後も「つくる」と「つかう」両方の視点から検討した当社グループならではの最適なソリューションを創出することで、水素社会の構築に貢献するとともに、「安全・安心で豊かな暮らしの中で、今と未来の人々が夢や希望を叶えられる世界。」の実現を目指していきます。 国際 水素・燃料電池展(春)(第25回 H2 FC EXPO 2026) 2026年3月17日(火)~19日(木) 10:00~17:00 水素製造・貯蔵・供給技術、評価・測定・分析機器、燃料電池部品・材料、燃料電池製品・システム など 当社グループの重要課題(マテリアリティ)の一つである「グリーン社会への貢献」に向け、CNへの挑戦への施策の一つである「水素」関連のKOBELCOグループのCO2削減への取組み。

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