企業動向

戦略|三菱UFJフィナンシャル・グループ

mufg.jp 2026-08-07
三菱UFJフィナンシャル・グループは、投融資ポートフォリオの2050年ネットゼロ達成に向け、パリ協定に整合した2030年中間目標を設定し、セクターごとの特性や地政学リスクを踏まえつつ、顧客との対話やイノベーション支援を通じて目標実現を進めている。

専門家の視点

投融資ポートフォリオのネットゼロという目標と、その実現手段としての「対話」と「イノベーション待ち」という姿勢の間に、構造的なねじれがあります。記事は2030年中間目標の設定やPCAF準拠の算定手法など、実体となるプロセスを詳細に示します。一方で、未実行額を含む与信額を使用する点や、データ品質の限界を認めつつ随時改善するという表現は、測定の不確実性を内包したまま目標を公表している構造です。 強調されているのは科学的シナリオとの整合性確認や国際イニシアティブへの準拠ですが、肝心の「お客さまとのエンゲージメント」が具体的にどの排出削減行動を促すのか、その手段と検証方法は省略されています。2℃以下シナリオに基づく戦略のレジリエンス説明という要件に対し、レンジ目標という幅を持たせた設定は、不確実性への対応である一方、目標未達時の扱いも曖昧です。 構想段階のイノベーションに依存するという記述は、現在の実体と2050年ゴールの間にあるギャップを正直に認めるものですが、そのギャップを埋める具体的な技術ロードマップや投資計画は示されません。

気候変動に関するリスクおよび機会が組織の事業、戦略、財務計画に及ぼす実際の影響および潜在的な影響について、その情報が重要(マテリアル)な場合は、開示する a.組織が識別した、短期・中期・長期の気候変動に関するリスクおよび機会を説明する b.気候変動に関するリスクおよび機会が組織の事業、戦略、財務計画に及ぼす影響を説明する c.2°C以下のシナリオを含むさまざまな気候関連シナリオに基づく検討を踏まえて、組織の戦略のレジリエンスを説明する MUFGは、2021年5月に公表したカーボンニュートラル宣言に基づき、投融資ポートフォリオの2050年ネットゼロをめざしています。 2022年4月にパリ協定に整合した2030年中間目標を設定し、2024年4月には対象セクターを追加しましたが、その実現に向けたプロセスは、地域特性や事業特性によって異なること、さらには地政学リスクなどによって大きな影響を受けることも認識しており、お客さまとのエンゲージメント(対話)を通じた課題の共有と、その解決に向けた支援を行います。 また、世界が脱炭素化を達成する上では、いまだ構想段階にあるようなイノベーションも不可欠な要素となります。すなわち、現状とゴールの間には、いまだ具体化しきれないギャップが存在すると認識しています。したがって、例えば、新技術の実用化に向けた研究開発の進展など、脱炭素化に向けて世界がより一層の前進をすること、およびこれにMUFGがさらなる貢献を果たすことを志向しています。 こうした考え方を反映し、MUFGはレンジによる中間目標を設定しました。当社は、ステークホルダーの皆さまとともに、2050年ネットゼロをめざして前進していきたいと考えています。 投融資ポートフォリオのネットゼロとは、法人のお客さまやプロジェクト(PJ)へのファイナンスを通じて排出されるGHG(Scope3)をポートフォリオ全体として脱炭素化することを意味しています。 投融資ポートフォリオからのGHG排出は、Financed Emissionとして定義されますが、これは、金融機関の投融資先である各お客さま・PJから排出されるGHGのうち、ファイナンスを通じて当該金融機関に帰属するとみなす部分の排出量を示す概念です。 MUFGは、その算出にPCAFが推奨するモデルを参照しています。帰属係数を算定するにあたり、PCAFガイドラインでは、融資実行額の使用を推奨していますが、MUFGは、金融機関としての取引姿勢がより安定的に反映されるコミットメントラインの未実行額も含めた与信額を使用しています。 中間目標を設定するにあたり、MUFGは下記4つのアプローチを採用しています。 IEA(国際エネルギー機関)のシナリオや各種ガイドラインの変更、お客さまによる開示データの拡充等の目標への反映を随時検討します。 科学的なシナリオとの比較において、2030年中間目標が、パリ協定で合意された「2℃を十分に下回り、1.5℃をめざす」水準であることを確認しています。 1.5℃を志向するベンチマークとして、IEA等が公表する科学的なシナリオを参照しています。 入手可能な最善のデータを用いて、目標を設定しています。一方、現時点で活用できるデータの量や質には限界があるため、PCAF Data Quality Score(PCAFスコア)を活用し、MUFGの開示する排出量データの品質を確認します。 今後、各種データの更新や開示が進む中での計測精度の改善を随時反映していきます。MUFG自身も透明性の高い開示を行うことで、データの充実に貢献していきます。 目標は、グローバルな視点において標準的で透明性の高い手法に基づいて設定されるべきと考えており、各種イニシアティブの情報を収集しながら、目標設定の検討に反映しています。 具体的には、NZBA、PCAF、Paris Agreement Capital Transition Assessment(PACTA)、Science Based Targets initiative(SBTi)等が策定するガイドラインやルール、作業部会での議論の内容などを取り入れながら、目標を設定しています。 カーボンニュートラル実現に向けた道筋やプロセスは、セクターによって異なることから、個別セクターごとに、事業の特性やガイドライン、お客さまの目標設定状況等を確認し、これを踏まえた検討を行っています。 MUFGは、こうしたアプローチをとることで、各セクターの課題をしっかりと把握し、お客さまのカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを支援します。 再エネ拡大に向けた設備投資。1.5℃シナリオ達成に向け、2030年には、国内外で2021年比約4倍の再エネ容量が必要 系統増強・高度化、蓄電池等による

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