再エネ・技術

水素社会モデル構築へ、12件の調査・開発案件を採択/NEDO

2026-08-07
NEDOが水素社会モデル構築に向けた調査・技術開発・実証事業の12件を採択した。

専門家の視点

水素社会の実現は、技術開発と社会実装の間にある深い溝を埋める作業です。今回のNEDOの採択は、その溝に橋を架ける試みですが、12件の内訳が調査8件、技術開発・実証4件という構成は、まだ社会実装の入り口にも立っていない現状を示しています。調査ばかりが先行し、実際に水素を社会で使うための技術実証が少数にとどまるのは、事業化への道筋がまだ描けていないことの表れです。 この事業は2035年ごろまでの事業成立を見据えていますが、水素の製造から利用までを一貫して実証するには、技術的な課題解決とコスト低減の両立が必須です。現在の公表内容からは、具体的なKPIや比較基準が示されておらず、どの段階で事業性を判断するのか、失敗時の撤退条件は何かが不明瞭です。 過去の公募では17件の提案から12件が選ばれました。選ばれなかった5件の内容が何だったのかは示されていませんが、この選抜過程自体が、水素事業に対する企業の期待感を反映しています。実行主体の不在というよりは、調査と実証の非対称な配分が、水素社会構築への道筋よりも、まず事業可能性の探索を優先する現実を映しています。

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は7月30日、「水素社会モデル構築高度化技術開発・実証事業」で採択した12件(調査フェーズ8件、技術開発・実証フェーズ4件)を公表した。実施事業者は、水素利活用ビジネスモデルの事業性・経済性などの調査のほか、水素の製造・貯蔵・輸送・利用の効率化や課題解決、コスト低減につながる技術開発・実証に取り組む。NEDOは2035年ごろまでの事業成立を見据え...

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