中国パワー半導体市場、35年に3兆2742億円規模に 価格競争さらに激化
専門家の視点
中国のパワー半導体市場が2035年に3兆2742億円、そのうちSiC市場が9702億円という需要予測は、規模と成長率そのものよりも、価格競争の激化という見出しとの関係が論点です。市場規模の拡大と単価下落が同時進行する構造は、量で稼ぐ市場と、SiCのような高付加価値製品がどう住み分けるのかという問いを浮かび上がらせます。 今回の記事から確認できるのは予測数値のみで、どの企業がどの工程で競争するのか、補助金や規制といった政策要因、実際の生産能力や受注動向は一切示されていません。需要の数字だけが先行し、供給側の実行主体が不在のままです。 参照できる先行研究は、脱炭素技術の普及がコスト前提や政策支援に強く依存することを示しており、中国市場の価格競争も同様に、政府の産業政策と企業の投資判断が需要予測を実現する鍵を握ります。しかし、その政策と投資の情報が今回の記事には欠落しています。 予測は将来の需要の可能性を示すものであり、市場獲得競争の現状を証明するものではありません。次の観測点は、SiC分野での中国国内メーカーの量産技術確立と、外資系企業の価格設定戦略の変化です。
富士経済によれば、中国のパワー半導体市場規模は2035年に3兆2742億円となる見通し。このうち、SiC(炭化ケイ素)パワー半導体市場は9702億円になると予測した。 富士経済は2026年8月、中国のパワー半導体市場を調査し、その結果を発表した。これによると、2035年には3兆2742億円規模になると予測した。このうち、炭化ケイ素(SiC)パワー半導体市場は9702億円となる見通しだ。 今回の調査は、中国におけるシリコンパワー半導体市場を始め、SiC-FETやSiCパワーモジュール、窒化ガリウム(GaN)パワー半導体などの市場を対象とした。SiCウエハーやSiCエピ膜成長装置の市場についても調べた。調査期間は2026年4~6月。 中国のパワー半導体市場は、電動車やエアコンなどの民生機器、産業機械用インバーターといった用途に向け需要が拡大している。一方で参入企業が増え、価格競争が激しくなっているという。この結果、2026年は前年比6.5%増の1兆8248億円となる見込みである。 中国では国産部品の使用を推奨する動きもある。このため、エアコンや産業用低圧インバーターなど、汎用製品を搭載する用途では、日本や欧米メーカーが提供するパワー半導体から中国製への置き換えも進んでいる。中国におけるパワー半導体の需要は、今後も順調に拡大する見通しで、2035年には3兆円台に達すると予測されている。 こうした中、今後大きな伸びが期待されているのがSiCパワー半導体である。SiC-FETとSiCパワーモジュールの市場規模は、2026年見込みの2316億円に対し、2035年は9702億円規模と予測した。その理由として、SiCパワー半導体の価格下落によって大衆車での搭載が増加することや、太陽光発電(PV)での使用が増えることを挙げた。シリコンパワー半導体からの置き換えも進む。 中国におけるGaNパワー半導体市場は、2026年見込みの356億円に対し、2035年は1489億円と予測した。現在はPD充電器など民生機器が主な用途で、中耐圧品を中心に需要が拡大している。今後は、電気自動車(EV)向けオンボードチャージャーやLiDAR、サーバラック電源などへの搭載が進むとみている。縦型GaNパワー半導体は実用化に向けて開発中だが、各メーカーはその用途や設備投資の方向性を見極めている段階だという。 Copyright ITmedia, Inc. All Rights Reserved. All material on this site Copyright ITmedia, Inc. All Rights Reserved. This site contains articles under license from AspenCore LLC. ITmediaはアイティメディア株式会社の登録商標です。 メディア一覧 | 公式SNS | 広告案内 | お問い合わせ | プライバシーポリシー | RSS | 運営会社 | 採用情報 | 推奨環境
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