ねぶたも脱炭素化 発電機を蓄電池に置き換え
企業のGX対応事例として、現場で何が求められるかを知る手がかりになります。
専門家の視点
ねぶた運行の電力源を発電機から蓄電池へ切り替える試みは、騒音と排気ガスの削減という目に見える効果を伴う一方で、記事から確認できる事実はこの置き換えの構想のみです。蓄電池の容量、充電時間、ねぶた一台あたりの運行時間、コスト増加分を誰が負担するのかといった実行レイヤーは一切示されていません。伝統行事の雰囲気を損なわず、かつ夜間の長時間運行に耐える電力供給をどう実現するかが技術的な核心ですが、そこに触れられていません。 物語の軸は「脱炭素化」という目的と「発電機を蓄電池に置き換える」という手段の単純な対応にあり、比較基準が欠落しています。発電機からのCO2排出量がどれだけ減るのか、蓄電池の製造過程で排出されるCO2を差し引いた純減少量が示されない限り、環境負荷削減効果は不明瞭です。また、行事の主催者や参加者がこの変更をどう受け止めるかという利害関係者の視点も省略されています。 過去の事例に見られる、目標だけが先行して実行主体が曖昧になる構図と同型のリスクがあります。今回の観測点は、置き換えの規模感と、それを支える運用体制が明らかになるかどうかです。