脱炭素2.0へ移行する中国~「再生可能エネルギー発展15次5カ年計画」から読み取れること
中国の再生可能エネルギー発展15次5カ年計画では、脱炭素政策が設備導入重視から質的向上と確実な代替へと転換する方針が示された。
専門家の視点
中国の再生可能エネルギー政策は、設備容量の積み上げという測定可能な実体から、送電網の安定性や系統連系の品質という、より複雑な実体へと軸足を移しています。「質的向上と確実な代替」という物語は、この実体の変化を正確に翻訳したものですが、その実行レイヤーに注目する必要があります。具体的には、稼働率や出力抑制率といったKPIが計画に明示されているかどうかが、物語と実体の一致度を測る観測点です。期待のレイヤーでは、再エネ発電コストの低下を受けて投資家の期待が依然として規模拡大に向かいがちで、質的向上の遅れが生じる可能性があります。ここで隠れた前提を問い直すと、中国の再エネは「増えれば増えるほど良い」という段階は既に終わり、増えた電力をどう吸収し、石炭火力をどう退場させるかという「代替の質」こそが競争力の源泉になります。この構造は、設備導入率だけを見て中国を評価する日本の議論にそのまま当てはまらない点が重要です。次の観測点は、送電網のスマート化投資と石炭火力の稼働率低下が計画数値として同時に示されるかどうかであり、そこに実体と物語の整合性が現れます。