経済産業省「次世代革新炉の開発・建設に向けた技術開発・サプライチェーン構築支援事業」に ...
専門家の視点
補正予算による三菱重工の3件採択は、原子力政策が「最大限活用」という物語から、制度と資金を伴う実行段階へ移ったことを示します。革新軽水炉SRZ-1200、高速炉、高温ガス炉、そしてSMRと、技術開発とサプライチェーン構築を同時に進める体制は、実体としての予算と組織が明確です。ただし、ここでの構造的な論点は実行レイヤーの時間軸にあります。SMRの社会実装段階という位置付けは、日本特有の自然条件への適合という高いハードルを残したままの表現です。海外のSMR設計をそのまま導入するのではなく、国産技術で適合させるという開発路線は、実証までの期間とコストが実体として不透明です。一方で高速炉は2040年代の運転開始、高温ガス炉は2030年代の実証炉建設と、政策上の目標年次が確認できます。ここで隠れた前提を問い直します。既存の軽水炉建て替え需要を満たすだけのサプライチェーン人材が、新設と並行して確保できるという前提です。ここでの中心的なズレは物語先走りです。エネルギーミックス上の期待は大きいですが、個別の炉型ごとに見た技術成熟度と規制適合性の実体は、依然として開発初期段階にあります。
今般、経済産業省・令和7年度補正予算「次世代革新炉の開発・建設に向けた技術開発・サプライチェーン構築支援事業」において、三菱重工が提案した以下の3件が採択されました。 我が国においては、2025年2月に閣議決定された「第7次エネルギー基本計画」で、エネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源である原子力を最大限活用していく方針が明記されました。また、次世代革新炉の開発・設置やサプライチェーン・人材の維持・強化へ取組むことも示されています。加えて、2026年7月31日に原子力関係閣僚会議にて決定された「今後の原子力政策の方向性と行動指針」では、将来に必要な原子力発電の見通し・将来像(建て替えが必要な設備容量)が明示され、次世代革新炉のうち、革新軽水炉、小型軽水炉(SMR)が技術面では社会実装の段階と位置付けられました。 三菱重工は、国内での早期実用化を目指し、革新軽水炉SRZ-1200(注1)の開発を推進しています。また、将来多様化するニーズにあわせて経済産業省のGX推進事業における高速炉・高温ガス炉実証炉開発(注2,3)の中核企業として、開発・設計を進めています。さらに、小型軽水炉(SMR)についても、今回採択された補助事業を通じて、地震・津波など日本特有の自然条件へ適合する国産技術による小型軽水炉の開発を加速していきます。 1革新軽水炉「SRZ-1200」について | 三菱重工 2022.9.29 2日本政府が開発を推進する高速炉実証炉の設計、開発を担う中核企業に選定2040年代の運転開始に向け、ナトリウム冷却高速炉の概念設計などを推進 | 三菱重工 2023.7.12 3経済産業省が推進する高温ガス炉実証炉開発の中核企業に選定2030年代の実証炉建設に向け、研究開発・設計を積極的に推進 | 三菱重工 2023.7.25 Tags: エナジー・環境,原子力 担当窓口:原子力セグメント 三菱重工グループについて 三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。 長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。
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