企業動向

タングステン再生に92億投資、三菱マテリアルが工場増強

2026-08-05
三菱マテリアルがタングステン再生事業に92億円を投資し工場を増強する動きを報じている

専門家の視点

タングステンは超硬工具や半導体配線に不可欠なレアメタルです。三菱マテリアルが92億円を投じる工場増強は、供給の9割を中国に依存する現状への対抗策です。中国は輸出規制を武器化しており、再生資源の活用は経済合理性を超えた地政学的な必須要件になりつつあります。 ここでの核心は、リサイクル原料の比率向上が技術的に可能かどうかです。タングステンは高融点ゆえに精錬が難しく、再生材の品質が一次原料と同等に保てなければ、半導体向けなど高品位用途には使えません。投資のKPIは設備容量ではなく、再生材の品質保証と、そのコスト競争力です。 注目すべきは欧州での工場増強という立地です。中国依存を嫌う欧州顧客を直接取り込む戦略は、サプライチェーン全体の物語を再構築する動きです。ただし、リサイクル由来の供給量が全体の何割を占めるのか、数値目標が示されない限り、投資効果は測れません。 構造的に見ると、この投資は「実体が翻訳されていない」典型です。脱炭素や安定調達という物語は強いものの、リサイクルの技術的限界と経済性という実体が市場に十分伝わっていません。

2026年08月05日 ビジネス・経済 Twitter Facebook LINE B! Pocket 三菱マテリアル傘下企業のタングステン工場(ゴスラー市) 世界で2社しか作れない!高耐熱「チラノ繊維」の正体をひもとく レアメタル9割減らしたすごい新合金、冨士ダイスが開発 日立金属子会社が実現、スゴい「水素吸蔵合金」の全容

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