インタビュー/三建産業社長・三浦雄一郎氏 自社製炉からのCO2排出50%削減
三建産業社長が自社製炉からのCO2排出50%削減を目指し、水素やアンモニア等の次世代燃料の実用化に取り組む方針をインタビューで語った。
専門家の視点
水素やアンモニアを混焼できる自社製工業炉の開発は、既存設備の置き換えではなく、燃料転換という運用側の変化を前提にしています。ここに構造的な論点があります。炉のハードは完成しても、水素の安定供給や価格競争力、安全基準の整備といった周辺インフラは、NEDO基金の枠組みだけでは実装スピードが追いつきません。つまり、技術実証は進んでも、社会実装までの時間軸に非対称性が生じる構造です。 中心となるズレは、物語先走りと実体欠落の狭間です。CO2排出50%削減という目標値は明確ですが、その数値が「何年時点の排出量に対する削減か」という基準の明確化が不足しています。また、誰が水素を供給し、コスト差を誰が負担するのかという実行レイヤーの設計が示されていません。 隠れた前提は、「次世代燃料が現在の化石燃料と同じ価格体系で導入される」という点です。実際には、水素の価格は現状の3倍以上であり、政策支援なしでは事業性が成立しません。この前提が崩れると、削減目標は実証実験の範囲に留まります。 次の観測点は、NEDOの実証事業が2020年代後半にどう出口を描くかです。