人材・キャリア

【アメリカ】ブラックロックやグーグル、熟練技能者育成で共同イニシアチブ創設。人手不足解消

2026-08-04
ブラックロック、フォード、グーグル、カーハートが熟練技能者育成のための共同イニシアチブ「アライアンス・フォー・アメリカ」を創設した。

専門家の視点

投資運用・自動車・IT・アパレルという異業種4社が、熟練技能者育成のイニシアチブを共同で立ち上げた事実は、単なる人手不足対策ではなく、米国の産業構造そのものが変化している証左です。ITや金融が主導する脱炭素関連投資は、実際の建設・製造現場という「実体」に到達した時点で、熟練技能者というボトルネックに直面します。この構造的な欠落を、業界の垣根を越えて補おうとする動きです。 ここでの核心は、育成対象となる「熟練技能」の内実です。グーグルやブラックロックが求めるのは、従来の配管や電気工事ではなく、太陽光パネルやEV充電インフラを扱える新技術への適応力でしょう。見るべきは、企業が自社の事業継続のために、教育機関ではなく自ら育成プログラムへ投資するという意思表示です。 時間軸で見れば、この取り組みの効果が出るのは5年単位です。政策の補助金や税制優遇が即効性を持つ一方で、人材育成は長期的な投資であり、その非対称性が埋まるまでは、インフラ建設の遅延は続きます。物語は壮大ですが、実体が追いつくには時間を要する、物語先走りの構造です。

投資運用世界大手ブラックロック、自動車世界大手米フォード、IT世界大手米グーグル、米アパレル大手カーハートの4社は7月21日、熟練技能者の育成を目的としたイニシアチブ「アライアンス・フォー・アメリカズ・スキルド・トレード」を創設したと発表した。電気工事士等の人手不足に対処する。 米国では、2030年までに、電気工事士や建設作業員等を含め、熟練技能職が210万人不足すると推定されている。同時に、これらのインフラ関連の熟練技能者になるには、4年制大学の学位取得が不要な上、賃金が米国平均を上回っており、退職年金や医療保険等の福利厚生を利用できる場合も多いという。 今回のイニシアチブでは、まず、熟練技能職への人材供給ルートを構築。技能職の認知度を高め、アクセスしやすい道筋を提供できるようにする。次に、Burning GlassおよびJobs for the Futureと提携し、OJTの見習い制度や見習い前プログラムを拡充する。格差の測定、進捗状況の追跡、ベストプラクティスの共有に役立つ報告書も進める。また、産業界、労働者団体、教育界、NGOとも連携する。 【参照ページ】BlackRock, Carhartt, Ford and Google Launch New Alliance to Expand Skilled Workforce Training ※ 閲覧チケットは翌月への繰り越しはできません。 【無料会員向け】有料記事の閲覧チケットの詳細はこちら 株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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