再エネ・技術

第1回FFI官民連携フォーラム基調講演:電力送配電について

2026-08-04
第1回FFI官民連携フォーラムにて、電力送配電に関する基調講演が行われた。

専門家の視点

電力自由化の制度設計は、発電部門の競争を促す一方で、送配電網という自然独占領域を中立化する仕組みです。この分離構造が、再生可能エネルギーの大量導入を支える大前提ですが、実際の設備投資と系統運用の実務は、依然として地域密着型の技術力に依存しています。ここに見逃せない非対称性があります。制度改革のスピードと、送配電網の物理的更新サイクルが大きく乖離しているのです。再エネ接続の申し込みが急増しても、系統増強や混雑管理の実行部隊である技術者や運用ノウハウの蓄積は線形的にしか進みません。つまり、市場メカニズムの導入という「物語」は整いましたが、それを支える「実体」である送配電インフラの人材と投資は追いついていない構造です。隠れた前提は、送配電網が「中立で受動的なインフラ」だという見方です。実際には、需給調整や出力抑制を担う能動的な調整役であり、その役割を誰がどう実行するのかという実行レイヤーの責任分担が曖昧なままです。期待先行で系統接続が進むほど、運用上の制約が顕在化する時間差がズレの中心です。

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