次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会 電力安定供給ワーキンググループ 長期脱炭素電源 ...
専門家の視点
既設原子力の上限価格引き上げと制度適用期間30年への短縮は、新増設を促す現実的な設計です。その一方で、日本原子力産業協会が要望する革新軽水炉への柔軟な扱いは、建設実績がゼロという実体と、コスト上振れリスクの内在性を物語っています。上限価格が1.5倍、事業者負担が1.1倍という制度的対応の線引きは、事故時の他律的費用増加に対する予見性を高める狙いですが、革新軽水炉のような長期リードタイム案件では、この枠組みが事業リスクの上限としていつまで有効かの検証が欠かせません。ここに物語と実体のズレがあります。オークション制度は発電事業者に将来のコストを約束させる仕組みであり、見積もり困難な事態への安全弁は、制度の信頼性を左右する中核です。次に見るべき観測点は、第4回募集で新規参入がどの程度実現するか、そして革新軽水炉に対する制度運用が実際のコスト動向に合わせて軌道修正されるかです。上限価格の固定は、技術進歩によるコスト低下を織り込む余白を狭め、制度自体の硬直化を招く危険もはらみます。構造は物語先走りの様相です。
2026年7月17日、経済産業省資源エネルギー庁は「次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会 電力安定供給ワーキンググループ 長期脱炭素電源オークションの第4回募集に向けて(案) 長期脱炭素電源オークションガイドライン(案) についてのパブリックコメント」を開始しました。 また、2026年7月21日、電力広域的運営推進機関は、「容量市場 長期脱炭素電源オークション募集要綱(応札年度:2026年度)及び長期脱炭素電源オークション 容量確保契約約款に関する意見募集」を開始しました。 本日、当協会は別紙の通り意見を提出しました。 「次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会 電力安定供給ワーキンググループ 長期脱炭素電源オークションの第4回募集に向けて(案) 長期脱炭素電源オークションガイドライン(案)」 https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL id=620226020 Mode=0 「容量市場 長期脱炭素電源オークション募集要綱(応札年度:2026年度)及び長期脱炭素電源オークション 容量確保契約約款に関する意見募集」 https://www.occto.or.jp/iken/000606.html 「次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会 電力安定供給ワーキンググループ 長期脱炭素電源オークションの第4回募集に向けて(案) 長期脱炭素電源オークションガイドライン(案)」および「電力広域的運営推進機関 容量市場 長期脱炭素電源オークション募集要綱(応札年度:2026年度)及び長期脱炭素電源オークション 容量確保契約約款に関する意見募集」に対する当協会の意見 当協会は、革新軽水炉による建て替えにおける投資回収の予見性向上の観点から、以下の通り意見を提出しました。 既設原子力の安全対策工事および既に新設が進んでいる原子力発電の上限価格を引き上げ、それに合わせて制度適用期間の上限を30年に短縮する今回の改定を支持する。その上で、次回以降の改定議論においては、革新軽水炉の建て替え案件に関して、建設実績がないことをふまえ、柔軟な制度適用期間を検討していただきたい。 原子力の上限価格を、193,810円/kW/年へ引き上げる方針に賛同する。その上で、革新軽水炉にはまだ建設実績がなく、今後の技術動向や開発コストとの乖離が生じることもありうるため、上限価格の見直しを引き続き検討していただきたい。 事業者に帰責性がない費用増加*が発生した場合に発動される制度的対応における適用上限(当初見積もりの1.5倍まで)及び事業者負担(当初見積もりの1.1倍を超過する費用の10%)については、事業リスクの予見性向上の観点から、今後の開発コストの動向も踏まえ、必要に応じた見直しを検討していただきたい。 *法令に基づく規制・審査、行政指導への対応に伴い、事業者にとって他律的に発生する費用であり、発電事業者があらかじめ見積もることが困難であった費用 導入リードタイムの長い革新軽水炉の建て替えでは、応札時から運転開始までの間に種々の事情変更が発生する蓋然性が高いことから、供給力提供開始期限の5年前までの申告を条件に、同期限の合理的な範囲での延長の検討をお願いしたい。 TEL:03-6256-9316(直通) E-Mail:message@jaif.or.jp 長期脱炭素電源オークションの第4回募集に向けて(案)P17容量市場 長期脱炭素電源オークション募集要綱(応札年度:2026年度)(案) 第3章 募集概要 P10 既設原子力の安全対策工事および既に新設が進んでいる原子力発電の上限価格を引き上げ、それに合わせて制度適用期間の上限を30年に短縮する今回の改定を支持する。 その上で、次回以降の改定議論においては、革新軽水炉の建て替え案件に関して、建設実績がないことをふまえ、柔軟な制度適用期間を検討していただきたい。 長期脱炭素電源オークションの第4回募集に向けて(案)P24~、P30容量市場 長期脱炭素電源オークション募集要綱(応札年度:2026年度)(案)第3章 募集概要 P18 原子力の上限価格を、193,810円/kW/年へ引き上げる方針に賛同する。その上で、革新軽水炉にはまだ建設実績がなく、今後の技術動向や開発コストとの乖離が生じることもありうるため、上限価格の見直しを引き続き検討していただきたい。 長期脱炭素電源オークションガイドライン(案)P9、P16容量市場 長期脱炭素電源オークション募集要綱(応札年度:2026年度)(案)第7章 契約条件 P41容量市場 長期脱炭素電源オークション容量確保契約約款(案)別紙2 事後的な費用増加に伴う契約単価の算定方法P6、P37~40
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