ICAO大沼理事会議長 AI活用やデジタル対応、具体的に議論 脱炭素はCORSIAが軸
ICAOの大沼俊之理事会議長が会見し、AI活用やデジタル対応を具体的に議論し、脱炭素ではCORSIAを軸とする方針を示した。
専門家の視点
航空脱炭素の国際制度は、CORSIAという実体を軸に据えつつ、その外側に広がるAI活用や新モビリティという未知の領域を、基準作りという物語で先取りしている構造です。ICAO議長の発言は、既存の制度運用に加えて、技術進展の速い分野での国際ルール形成という困難な課題に着手する宣言ですが、肝心の「誰が・いつ・どのKPIで」実行するのかという実行レイヤーが明確ではありません。CORSIAは2027年からの義務化フェーズが実質的な試金石であり、ここでの加盟国の履行格差が、新たな基準作りの信頼性を左右します。隠れた前提は「ICAOの合意形成スピードがAI技術の進展に追いつける」という点であり、この前提は現実的には崩れつつあります。国際民間航空の脱炭素は、実体であるCORSIAの着実な実施と、物語である新技術基準の創設が、時間軸の異なる二つの流れとして並走します。観測点は、2027年義務化に向けた各国の国内法整備と、ICAOがAI基準作りで示す具体的な工程表です。基準作りの議論が始まった段階では、物語先走りの構造を内包しており、実体との整合はこれから問われます。