環境ビジネスカンファレンス ONLINE GX推進法・資源有効利用促進法 改正が迫る「脱炭素型」資源循環 〜再生材利用義務化を「競争力」に昇華させる戦略とは〜
NEDOとJFEスチールなど7者が国内初のグリーン水素を用いた還元鉄試作に成功し、公共工事での低炭素鋼材活用を通じて鉄鋼分野のGXを前進させる。
専門家の視点
国内初のグリーン水素による還元鉄試作と公共工事での低炭素鋼材活用は、鉄鋼分野の脱炭素において実体が先行した典型例です。高炉依存から水素還元への移行は技術的難度が高く、今回は実証段階の一歩に過ぎませんが、制度的後押しであるGX推進法と資源有効利用促進法の改正が、この技術を市場に定着させる鍵を握ります。 ここでの構造的なズレは、物語先走りではなく、期待欠落です。公共工事での低炭素鋼材活用には、コスト上乗せ分を誰が負担するかという制度設計の未整備があり、民間需要が続く保証はありません。現状の発表は技術的成功を伝えるだけで、普及スケジュールやコスト競争力の見通しが示されていない点が、投資家や建設業界の行動を鈍らせています。 隠れた前提として、「公共工事が需要を牽引すれば民間にも波及する」という考え方がありますが、これは日本の公共投資縮小トレンドを軽視しています。より現実的な観測点は、NEDO主導の共同研究が2025年度以降にどれだけの量産規模を実証するかであり、ここで量産コストが現在の数倍から2倍以内に下がるかどうかが、制度改正の実効性を左右します。