再エネ・技術

ベトナム、水素エネルギー産業の構築へ 活用可能性と課題 [会員限定]

2026-08-04
ベトナム政府が脱炭素社会実現に向けた水素エネルギー産業の開発戦略を承認し、2030年までの低炭素水素生産目標などを定めた。

専門家の視点

ベトナムの水素産業構築は、政府の長期ビジョンと資源賦存の現実の間に構造的なズレが存在します。同国は再生可能エネルギーのポテンシャルが高い一方、水素製造に必要な大規模なインフラ投資と技術移転の実行レイヤーが明確ではありません。物語先走りの構造です。 隠れた前提は「水素が脱炭素の最適解である」という点です。ベトナムの電力需要の急増を考えれば、水素の電力利用より、直接電化や蓄電池の方が経済合理性に優れるケースが多いです。時間軸で見ると、水素は2050年目標より2035年時点での実証段階が勝負になります。 次の観測点は、国際パートナーとの共同実証と、国内法整備による投資インセンティブの明確化です。両者が整わない限り、発表は続くが進捗が見えない状態が続きます。ベトナムの資源と日本の技術を結ぶには、まず実証データの蓄積と人材育成が不可欠であり、その順序を逆転させる政策は機能しません。構造として、政府の意欲と市場の実効性が時間差で動くことを認識すべきです。

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