企業動向

DHL、SBTi新基準に対応 「Book & Claim」で物流脱炭素とScope3削減を後押し

2026-08-03
DHLグループがSBTiの2026年6月予定の新基準に対応し、物流脱炭素とScope3削減を後押しする「Book & Claim」方式を導入する

専門家の視点

Book & Claimは、物理的な燃料供給と環境価値の取引を分離する仕組みです。SBTiがこれを正式に認めたことで、物流業界のScope 3削減における「実体」は大きく変わりました。これまでBook & Claimは「カーボンオフセットに近いもの」という批判がありましたが、新基準では適切な管理体制の下での貢献として位置づけられ、制度上の正当性を得たのです。 ここで見るべきは、DHLの「物語」と「実体」の整合性です。DHLは数千社の顧客にサービスを提供してきた実績を強調しますが、この仕組みの核心は「複数企業が同一の物理的ネットワークを共有する」という前提にあります。つまり、個別企業の削減量が、実際にはネットワーク全体の燃料転換に依存しているという構造です。 一方で「期待」は過熱気味です。SBTiが認めたからといって、Book & Claimの環境価値の二重計上リスクや、透明性の確保が自動的に解決するわけではありません。認証制度の実効性は、今後の運用詳細と監査体制にかかっています。物語先走りではなく、制度設計と実務の乖離が次なる観測点です。

7月24日、DHLグループは、Science Based Targets initiative(SBTi)が2026年6月に公表した「Corporate Net-Zero Standard Version 2.0」を受け、自社の輸送脱炭素化の取り組みが新基準の方向性と一致しているとの見解を示した。 新基準では、「Book Claim」が、直接的な排出削減が困難な場合に、適切な管理体制の下で輸送由来の温室効果ガス(GHG)排出削減や企業の気候目標達成に貢献する仕組みとして位置付けられた。 DHLは物流業界における先駆的な取り組みとして、「GoGreen Plus」を通じてBook Claimを活用してきた。同サービスは、DHLの物流ネットワークで使用した低炭素燃料の環境価値を、同ネットワークを利用する顧客へ配分する仕組みであり、共有輸送ネットワークにおけるScope 3輸送排出量の削減を支援する。持続可能な燃料の導入拡大に伴う実務面・経済面の課題の軽減にもつながるとしている。 同社のトビアス・マイヤーCEOは、代替燃料とGoGreen Plusを通じて、多様な業界・地域の数千社の顧客の輸送由来排出量削減を支援してきたと説明した。その上で、業界基準や枠組みの進展は、世界の物流分野における低排出化への移行を加速する重要な一歩になるとの認識を示した。 原文:New SBTi standard reinforces DHL Group s approach to transport decarbonization ESG Journalでは、実務に役立つポイントや実践ガイド(テンプレート)を紹介しています!国際的な動向からも気候変動への対応や開示の高度化が進んでいます。ぜひこの機会に自社の実務対応を再確認してください。🌍気候変動開示への対応に関連する実務解説はこちら>>> ✅それぞれの制度の概要を比較✅両制度の共通点と活用方法 ✅スコープ2改定案における変更点の全体像✅エネルギー調達戦略とデータガバナンスの解説 ✅SSBJ実務対応案で示されている方向性✅今から企業が準備できる開示準備のポイント

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