再エネ・技術

脱炭素、変わる世界の潮流 再エネ現実路線へ転換 中電・佐藤専務に聞く

2026-08-03
世界的なエネルギー価格高騰を受け、脱炭素に向けた再エネ政策が現実路線へ転換する潮流について中部電力の佐藤専務の見解を伝える記事。

専門家の視点

世界的なエネルギー価格高騰が、脱炭素政策の設計思想そのものを問い直しています。再エネの導入量やコスト競争力だけでなく、系統安定化や地政学リスクを含めた全体最適が求められる段階に入ったためです。中部電力佐藤専務の主張は、まさにこの転換点を体現しており、実体と物語の間には明確な整合性があります。ただし、注意すべきは時間軸の非対称性です。現実路線への転換は、短期的な価格高騰への対応としては合理的ですが、長期的な技術開発や人材育成といった要素が後回しにされる危険性を内包しています。再エネの導入拡大が進み、電力システムの柔軟性を高めるための制度改革や市場設計が追いついていないのが実態です。物語が先走りしているのではなく、むしろ実体が物語に追いつこうとしている構造です。次の観測点は、この現実路線が事業者の投資判断や長期計画にどう反映されるかです。エネルギー政策は可逆性が低く、一度決定した方向性を転換するコストは膨大です。現実路線への転換は、結果として再エネ普及のペースを維持するための戦略的判断であり、後退ではないとみるべきです。

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