制度・政策

【日本】国交省、公共工事でグリーン鉄試行開始。2030年以降の本格活用目標も設定

2026-08-02
国土交通省が公共土木工事でのグリーン鉄試行工事を開始し、2030年以降の本格活用目標も設定した。

専門家の視点

公共調達という需要側の制度は最速で動き出した一方、グリーン鉄そのものの供給量と価格差が試行段階の最大の制約です。国交省が示した2030年以降の本格活用目標は、国内製鉄各社が転換を完了させる時期とおおむね重なりますが、その間のコスト負担を誰が担うかの設計がまだ見えません。物語は明確であり、実体の一部が動き始めているものの、供給体制と価格メカニズムが追いついていない「実体が翻訳されていない」構造です。ここでの隠れた前提は、公共工事の調達価格に環境コストを転嫁できるという考え方であり、予算編成上の制約を考慮すれば、グリーン鉄の割高分を公共事業費として認める仕組みがなければ本格活用は遠のきます。次の観測点は、試行工事のコスト増分がどのように予算化され、発注者側の技術者に選定基準が浸透するかです。時間軸では、2030年を待たずに2025年度中の試行結果の公表が実質的な分岐点になり、そこで需要創出の実効性が測られます。公共調達は価格と環境性能の両立を求める場であり、グリーン鉄の普及は製鉄所の転換投資と調達制度の同時進化にかかっています。

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