企業動向

輸送費34%増の中、CLO義務化 日清食品らが挑む共同輸送・全体最適

2026-08-02
日清食品らが輸送費増加の中、物流脱炭素化に向けた共同輸送や全体最適化に取り組む動きを紹介。

専門家の視点

輸送費34%というコスト上昇の実体が先にあり、その後にCLO義務化という制度が追いかける構図です。2026年4月施行の法改正は、物流を経営課題に押し上げる物語を与えましたが、肝心の実行レイヤーは企業内部の人事権と部門横断権限に依存しています。ここに最大のズレがあります。制度は選任義務と罰金という形式を整えましたが、CLOに実質的な裁量がなければ名目だけのポストになります。日清食品やYKK APの事例が示すのは、先行企業は制度以前から自主的に動いていた事実です。つまり、義務化は後追いの追認であって、実態を変える触媒ではありません。むしろ興味深いのは、共同輸送の効果が積載率9%という具体的な数字で語られる一方、全体最適のKPIがROAや株価という経営指標に飛躍している点です。現場の改善が即座に経営指標へ反映される保証はなく、この物語と実体の時間差が次なる課題です。隠れた前提は「荷主主導の連携が進む」という楽観です。実際には自社仕様へのこだわりが連携を阻んできた歴史があり、法制度がこの文化的障壁を直接壊すことはありません。

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