企業動向

ENEOSHD社長「東南アで脱炭素燃料」 石油回帰に反論

2026-08-02
ENEOSホールディングス社長が東南アジアでの脱炭素燃料事業を表明し、石油回帰との指摘に反論した。

専門家の視点

東南アジアでの石油事業買収は、物理的な現実として「既存資産の継続運用」と「脱炭素燃料への転換」という二つの時間軸が同居する構造です。石油回帰と見える部分は確かに存在しますが、この買収の実体は、SAFやバイオ燃料の原材料調達網を、既存の物流・販売インフラに重ねる経路の確保です。しかし、ここでの論点は買収の是非ではなく、転換の実行レイヤーにあります。石油製品の販売事業を買収しても、その現場で扱う商材を脱炭素燃料へ切り替える人材と、顧客企業の転換を促す営業力が伴わなければ、既存事業の延長で終わります。ENEOSの狙いは理解できますが、2027年買収完了から実際にSAFやバイオ燃料が収益の柱へ育つまでの時間軸は長く、その間の投資回収を石油収益で賄う構図です。隠れた前提は「既存石油事業の収益力が、移行期間中も安定して維持される」というもので、この前提は石油価格や需要構造の変化によって容易に崩れます。次の観測点は、買収対象事業で扱う燃料種別の比率と、SAF製造拠点との連携スケジュールです。

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