制度・政策

熊本宣言ーグローバルネイチャーポジティブサミット2026にて、熊本宣言が出されました - IUCN日本委員会

iucn.jp 2026-07-31
熊本で開催された第2回グローバル・ネイチャーポジティブ・サミットで、2030年までに自然損失を食い止め反転させるため社会全体の連携を求める熊本宣言が85団体の賛同を得て発表された。

専門家の視点

熊本宣言は、2030年までの自然損失の逆転という国際目標を再確認し、その緊急性をCOP17に託す内容です。ここでの構造的な論点は、宣言が「行動の加速」を謳う一方で、その実行主体と資金メカニズムが具体化されていない点にあります。実体として、昆明・モントリオール枠組みの国家戦略への反映は途上であり、特に生物多様性オフセットや自然関連財務開示(TNFD)の導入は、企業の自主的取り組みに委ねられているのが現状です。つまり、物語は壮大ですが、それを支える規制や市場インフラの整備が追いついておらず、物語先走りの構造です。隠れた前提は「国際宣言が国内行動を自動的に促進する」という考え方ですが、実際には国内法制度や予算配分が伴わなければ、宣言は精神的な指針に留まります。次の観測点は、COP17で採択される資源動員戦略と、各国が提出する国家生物多様性戦略の改定内容です。日本企業への示唆として、宣言の美辞麗句ではなく、バリューチェーン全体での生物多様性への依存度と影響を測定する実務が、評価の分水嶺になると言い切れます。

日本の熊本で開催された第2回グローバル・ネイチャー・ポジティブ・サミットに参加した我々は、昆明・モントリオール生物多様性枠組み(KMGBF)の使命に沿い、2020年を基準として2030年までに自然の損失を食い止め、その傾向を逆転させ、2050年までに完全な回復を達成するための行動を加速させる上で、間もなく開催される生物多様性条約第17回締約国会議(CBD COP17)が極めて緊急の課題であることを認識します。世界的な目標達成まで残りわずか4年となった今、国際的な合意から着実な行動へと移行するためには、政府、市民社会、先住民族および地域コミュニティ、企業、金融機関、市民、消費者を含む、社会を構成するすべての主体をつなぐ、かつてない「社会全体を巻き込んだアプローチ」が求められています。 熊本は、この取り組みにふさわしい舞台です。この地域は、自然が経済活動、地域住民の生活、食料安全保障、文化遺産、災害リスクの軽減、コミュニティのレジリエンスをいかに支えているかを深く理解しています。また、政府、企業、金融、社会セクターが連携して行動することで、地球と現在および将来の世代の人々にとって、ネイチャーポジティブな成果をもたらすことができることを示しています。例えば、地下水や河川流域の管理を通じて、この地域は、都市部、企業、農業コミュニティが連携し、生物多様性の重要な要素である共有の自然資源や生態学的プロセスを保全できることを実証しています。 ネイチャーポジティブな社会への移行がもたらす社会的・経済的メリットは明らかです。ネイチャーポジティブ経済への移行は、コストとしてではなく、投資として、かつ、持続可能な成長、レジリエンス、イノベーション、そして長期的な価値創造の機会として認識されるべきです。それは、人間の発展を包括的に促進し、地球システムの健全性と活力を維持するものです。 この目標を支援するため、「熊本・グローバル・ネイチャー・ポジティブ・サミット」では、ネイチャー・ポジティブな未来を実現するためのいくつかの重要な要素を強調しました: これらの重要な提言を認識し、私たちは、生物多様性条約(CBD)COP17およびそれ以降のプロセスへの貢献、実施における成功事例や教訓の共有、そして共同行動の強化を通じて、本サミットの成果が「昆明モントリオール生物多様性枠組み(KMGBF)」のゴールとターゲットに向けた具体的な進展につながるよう取り組みます。「人々にポジティブな未来を実現する唯一の道は、ネイチャーポジティブな未来を築くこと」です。 熊本宣言は、グローバル・ネイチャーポジティブ・サミット2026において、85団体の賛同を得て、うち、41が企業や金融機関による宣言となっています。非営利組織からの賛同44の中には、政府機関、自治体、国際機関、国際企業ネットワーク、枠組み構築機関(TNFD)、NGO、アカデミア(大学、研究機関)、ユース団体等幅広い組織が賛同しています。[5] [1] KMGBF 2050 Vision and 2030 Mission [2] Methodological assessment of the impact and dependence of business on biodiversity and nature’s contributions to people (business and biodiversity assessment) [3] 「生物多様性国家戦略2023-2030:ネイチャーポジティブ実現に向けたロードマップ」 [4] 「ネイチャーポジティブ経済移行戦略 ~自然資本に立脚した企業価値の創造~」 [5]本宣言は自発的な意向表明であり、賛同企業・組織の目標や達成責任を含む、いかなる法的責任や正式な約束を意味するものではありません。 「IUCN World Conservation Congress 2025」開幕 日本委員会ブースを設置し、第2回グローバルネイチャーポジティブサミットを告知 ネイチャーポジティブをアートで表現!地球環境パートナーシッププラザにて展示します!

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