CO2排出量を削減した鋼材の試行工事を開始! ~直轄土木工事でグリーン鉄を試行的に活用し ...
専門家の視点
国交省が発注する直轄土木工事でグリーン鉄を試行的に使い、製造段階を含むCO2排出量を実測する取り組みです。この構造は、政府が需要側から市場を創る典型例であり、現時点では「期待先行」の段階だと読みます。 まず実体として、鉄鋼業界のCO2排出量は国内製造業の約35%を占め、削減技術の社会実装が急務です。しかしグリーン鉄はコスト高で流通量も少なく、民間需要だけでは市場形成が進みません。ここに政府調達という公的需要を投入し、初期市場を作ろうとしています。 物語は明快です。2030年以降の本格活用に向け、今年度も試行工事を追加するという工程表が示され、成長戦略にもグリーン鉄が官民投資ロードマップの一角として位置づけられています。KPIに相当するのは、試行工事ごとのCFP算定結果と、そこから得られるコストや調達方法の知見です。 問題は時間軸と実行レイヤーです。本格活用までの猶予はわずか数年で、鋼材の製造工程を根本的に変える技術確立には十年単位の投資が必要です。今回の試行は需要創出には有効でも、供給側の技術開発を加速させる直接の仕組みにはなっていません。
鉄鋼業界は、我が国製造業のCO₂排出量のうち、最大の約35%を占めており、そのGX が特に求められています。 今般、経済産業省が製造時のCO₂排出量を削減した鋼材であるグリーン鉄を活用した公共工事におけるCFP(製造段階も含めたCO₂排出量)の算定などの調査を行うにあたり、国土交通省の発注する土木工事にて「グリーン鉄試行工事」を実施することとなりましたので、発表します。 2030 年以降の公共工事における本格活用に向け、今年度も順次、試行工事を追加してまいります。 1. 背景・概要 鉄鋼業は、我が国の産業部門におけるCO₂排出量のうち大きな割合を占めており、カーボンニュートラルの実現に向けたGX が特に求められています。一方、製造時のCO₂排出量を削減した鋼材であるグリーン鉄の市場形成は未だ不十分です。したがって、政府が率先的に公共調達を進めることで初期需要を創出し、GX 価値が適切に評価される市場を形成していくことが重要です。 このため、2030 年以降の公共工事における本格活用に向け、グリーン鉄の流通やGX 価値等に関する知見を蓄積することとし、経済産業省の「GX 需要創出・カーボンプライシング運営事業」において、国土交通省の発注する土木工事で、鋼矢板、橋梁厚板等をはじめとしたグリーン鉄を試行的に活用し、製造段階も含めたCO₂排出量等の調査を実施します。 調査の実施にあたり、順次、試行の対象を拡大してまいります。 2.直轄の試行工事について(一例)※ ・北海道開発局 「一般国道5号 仁木町銀山大橋上部中央工事」 (北海道) ・中部地方整備局 「令和7年度 鵜森三郷排水路整備工事」 (岐阜県) ・中部地方整備局 「令和7年度 42号松阪多気BP朝田高架橋鋼上部工事」 (三重県) ・中国地方整備局 「令和7年度 福山道路赤坂東歩道橋鋼上下部工事」 (広島県) ・四国地方整備局 「令和7ー9年度 安芸道路黒鳥高架橋上部A1-P2 工事」 (高知県) ・四国地方整備局 「令和7ー9年度 安芸道路黒鳥高架橋上部P7-A2 工事」 (高知県) ※7月24 日時点(今年度実施する試行工事を順次追加予定) 3.参考 今月閣議決定された日本成長戦略においても、主要な製品・技術等の一つとしてグリーン鉄は位置づけられており、そのロードマップの中で「グリーン鉄の国内初期需要創出(公共工事におけるグリーン鉄の調達等)」が講じるべき施策として明記されています。また、「国土交通省土木工事の脱炭素アクションプラン」(令和8年7月31 日)では、建設資材(鉄鋼)についても、ロードマップを示しています。 ・戦略17 分野における「主要な製品・技術等」の官民投資ロードマップ(2026 年7 月21 日) 資源・エネルギー安全保障・GX [3]グリーン鉄 (P.230~P.233) https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/nipponseichosenryaku/pdf/rm2026.pdf ・国土交通省土木工事の脱炭素アクションプラン(2026 年7 月31 日改定) ロードマップ:[2]建設資材(鋼材)の脱炭素化 (P.8) https://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo08_hh_001355.html ・(別紙)グリーン鉄試行工事の詳細について (別紙)グリーン鉄試行工事の詳細について(PDF形式:108KB) PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Acrobat Readerが必要です。 左のアイコンをクリックしてAdobe Acrobat Readerをダウンロードしてください(無償)。 Acrobat Readerをダウンロードしても、PDFファイルが正常に表示されない場合はこちらをご覧ください。
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