再エネ・技術

日本ゼオン徳山工場“植物由来などのエタノールから合成ゴム原料を生成”国内初の実験設備完成

2026-07-31
日本ゼオンが徳山工場に植物由来エタノールから合成ゴム原料を生成する国内初の実験設備を完成させた。

専門家の視点

植物由来エタノールからブタジエンを生成する国内初の実験設備の完成は、実体として確かな一歩です。しかし、2034年の事業化という時間軸と、現在の実験設備が「品質や安定供給の検証」段階であることの間には、埋めるべき検証項目が多く残されています。物語として「中東の石油依存脱却」という大きな目標は明確ですが、その実現には原料となるバイオエタノールの調達コストと供給量、そして既存のナフサ由来プロセスとの経済合理性の比較が不可欠です。現時点では、技術的な可能性が先行して語られ、事業化への具体的な収支計画やスケールアップ時の課題が見えにくい構造があります。次の観測点は、実証設備で得られる収率や品質データが、既存のナフサ法とどの程度の差で並ぶのかという技術的な定量評価です。また、バイオエタノールの原料調達が食料と競合する可能性も、持続可能性の観点から問い直す必要があります。実験設備の完成は物語を前進させましたが、実体がその物語に追いつくのは、経済性の裏付けが取れた時点です。その時まで、この取り組みは計測可能な成果と物語の間に距離を抱えたまま進むことになります。

カーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みです。化学メーカー、日本ゼオンの徳山工場(山口県周南市)で、植物由来などのエタノールから合成ゴムの原料を生成する実験設備が、国内で初めて完成しました。 31日、関係者がテープカットし、施設の完成を祝いました。 実験設備は、トウモロコシといった植物由来などのエタノールから合成ゴムの主な原料となる「ブタジエン」を生成するものです。 「ブタジエン」は石油製品の「ナフサ」から生成されていますが、植物由来などの材料から生成されるのは、国内では初めての取り組みになります。 日本ゼオン ZEON NEXT 探索部門長 中村昌洋 執行役員 「カーボンニュートラルという2050年に向けた大きな取り組みというのはひとつありますし、昨今、中近東のナフサ問題というのがクローズアップされていますが、ゆくゆくはそこの中近東の石油依存というのを少しでも、バイオ原料に切り替えていける。そういったところに貢献したいなというふうに思っています」 実験設備は8月から稼働を始め、品質や安定供給などを検証することにしています。 2034年の事業化を目指していて、実現すれば世界初ということです。

本文は配信元の記事から取得した抜粋です。

配信元の記事を読む →
← GXニュース一覧に戻る